| アウディにとってカスタマーレーシングカーは「大きな利益」を生む商材 |
ステファン・ヴィンケルマン氏がアウディスポーツに就任して以来、アウディスポーツは大きくその動きを変えていますが、そのひとつが「カスタマー向けレースカーの販売」。
要はレースに個人やチームで参戦するために、その車両を販売するというものですね。
関連投稿
アウディがツーリングカー選手権用のレースマシン、「RS3LMS」を1850万円で発売
アウディ・スポーツがカスタマー向けレースカー販売強化。R8 LMS GT4発表
今回、およそ1年ほど前に販売開始された「RS3LMS」が販売100台を達成したそうですが、レースカーとしては「かなり早いペース」。
ツーリングカー選手権、スーパー耐久シリーズにも参戦でき、かつ価格「1850万円」というのは割安感があると思われ、その素性の良さとともに評価されたのでしょうね。
なおレース参戦においては「コスト」が非常に重要で、クラッシュ時の修理費用や消耗品など「安いに越したことはない」のは間違いなく、そこでアウディのように生産規模の大きなメーカーの作るレースカーは部品調達においても有利であると思われます。
さらにアウディスポーツは「R8LMS(R8のレースカー)」も発売していますが、こちらはおよそ4800万円ほど。
パーツの多くを一般のR8と共有し、製造自体もロードカーのR8と同じライン。
つまりは構造やパーツにおいても特殊性はなく、やはりレースをするのには「安上がり」だと考えられます(ポルシェも同様に、レースをするには結果的に安上がりなメーカー、と言われる)。
多くのメーカーのレース専用車は「レース専用」に大きく作りを変えたり、小さな部品でも「専用」であったりしますが、ポルシェやアウディ、ランボルギーニのレースカーは「市販車と同じ部分」が多く、これはこれで市販車を購入する人にとっては「その車へのロイヤルティ」を増す理由にもなりますし、レースに参加する人にとっては「コストが安い」という現実的なメリットも。
加えてレースに参戦する車両が増え、上位を占めるになるとその車の評判自体も上がりますし、こういった「レース用カスタマーカー」販売はスポーツカーメーカーにとって大きな意味を持つことになりそうです。
なお今回の「100台記念」となるRS3LMSは特別にゴールドのラッピングが施されていますが、実際にレースに使用される際にはそのチームのカラーに変更されるのかもしれません。