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【まとめ】ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4のインプレッション。VWグループ内流用パーツについて

2017/12/11

ランボルギーニは現在、フォルクスワーゲン・アウディグループに属している

lamborghini gallardo scirocco

ランボルギーニはフォルクスワーゲン・アウディグループ傘下にある、ということでいくつかのガヤルドに使用されるパーツはフォルクスワーゲンやアウディと共通。
これはある意味衝撃的なことではありますが、紛れも無い事実でもあります。
フォルクスワーゲンと同じ部分としてはまず「メーター」。

ガヤルドのメーターやキーはフォルクスワーゲン、アウディと基本的に共通している

左に回転計、右に速度計、真ん中にマルチインフォーメーションディスプレイというところは同じ。
位置こそ微妙に違いますが左下に水温計、右下に燃料計、というところも同じですね。
回転計を見るとガヤルドはレッドゾーンが8500回転、速度表示については時速340キロまで。
ちょうどガヤルドと同時に所有していたシロッコのメーターはレッドゾーン6400回転、速度表示は時速280キロまで。シロッコのメーターパネルは光っていませんが、光り方自体はガヤルドと同じ白色。

ただ「全く」同じではなく、シロッコのメーターが味気ない普通のフォントなのに対して、ガヤルドはなんとなくカッコいい、イタリック書体を採用。
全てのドイツ車が味気ないフォントで、全てのイタリア車がイケてるフォントでは無いと思いますが、少なくともガヤルドはメーターのフォントひとつとっても、「なんとなく楽しい」ように思います。
加えてダッシュボード中央の3連メーターも同じように「オイル」「バッテリー」といった表示がイタリア語表示となり、妙に気分を盛り上げてくれますね。
その意味では、ガヤルドは比較的低速であっても渋滞で動かなくても、室内を見渡すだけで、それなりに「楽しい」車だと思います。

そしてもう一つ大きな、フォルクスワーゲンとの共通部品がバタフライ式の「キー」。
同年代のアウディとも同じ構造を持ちますが、フォルクスワーゲン、アウディ、ランボルギーニはキーの「外側」が異なるのみ(ランボルギーニのキーは「剣」をイメージしている)。

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そのほか、機能パーツや電装品もアウディと共通部品が多い

そのほかガヤルドに使用されているパーツを見てみると、ドアミラーのスイッチ、エアコン操作パネル、ライセンスランプ、室内の各ランプアッシーはアウディと共通。
ブレーキキャリパー、ローターはR8と同じパーツですね。

なおぼくは流用については肯定的であり(同時にある部分では否定的でもある)、こういった操作系などがアウディと共通である、ということについてはむしろ安心感を覚えます。

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しかしながらランボルギーニ間(ガヤルドとアヴェンタドール)での共通部品となると、これが意外と少ないのですね。
たとえばウインカーもガヤルドとアヴェンタドールでは大きく異なります(ポルシェの場合、スポーツモデル間ではウインカーが共通)。
そして、おおかたのメーカーでは車種問わず共通であろうと思われる「給油口のキャップ」ですら、ガヤルドとアヴェンタドールは大きく異なります(アルミ無垢、という点は共通であるのに)。
内装においてはパドルシフトやドアハンドル、各種スイッチなど、見る限りガヤルドとアヴェンタドールとの共通部品は無いようですね(かろうじてドアミラーの操作スイッチにその面影があるか、というくらい)。
外側では、サイドブレーキのキャリパーが共通っぽいですね。

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ランボルギーニの場合は車種が少ない上にモデルライフが長く、しかしアウディは頻繁に新モデルを出して来ます。
そのため、設計した時期によってそれぞれアウディから流用するパーツが異なるために、アヴェンタドールとガヤルド間では共通パーツが少ないのだと思いますが、先に挙げたウインカー、給油口キャップについてはランボルギーニ固有のものであり、とくにガヤルドとアヴェンタドールは同様のデザイン言語を用いているので、この部分などは(コスト最適化のため)共有しても良さそうなのに、と思うわけですね。
とくにランボルギーニの生産台数からすると、車種ごとに固有のウインカーを設計・製造すると、それはかなり高価にならざるを得ず、わざわざアヴェンタドールとガヤルドとで「別パーツを使用」するのはコストをいたずらにアップさせてしまうことにも。

しかし、もしかするとそこはランボルギーニの「こだわり」であり、ある部分において「そのモデル固有の、そしてそのためにデザインされたものでなくてはならない」と考えていて、完璧を期すためにモデルごとに違うパーツを使用しているのかもしれませんね。
また、さかのぼれば2004年にガヤルドが登場したとき、現在のデザイン言語は確立されていなかったわけで、その意味では現在の、そして最新のランボルギーニ車にはふさわしくない、と考えているのかもしれません。

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いずれにせよ車の性格上、そしてブランディング上、「ランボルギーニおいてはいずれのモデルもエクスクルーシブでなくてはならない」ことは間違いが無いと考えられます。
そのためには共有化してコストを下げるよりも、たとえ高くなったとしてもデザインを重視したいという考え方があるのでしょうね。

そして結果としてコストが高くなった(車両価格が高くなった)としても、ランボルギーニの目的が達成されるのであれば、それは顧客の満足という形でペイできるものとも思われます。

ランボルギーニを求める顧客は「安価で速い車」を求めているわけではなく、非現実性や非日常性を求めていると考えられ、そのためには「唯一無二(アヴェンタドール発表時の言葉を借りれば”唯一無比”)」の存在であることを車に求めているのではないか、とぼくは考えているからです。

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ぼく自身「流用には肯定的でありながらも否定的」という矛盾した要素を内包するのは、「信頼性と非現実性」という相反する要素を求めているからであり、たとえばスイッチなど信頼性を向上させるためのパーツは流用すべきであると(しかしインターフェースは変えて欲しい)考えますが、見た目でほかブランドからの流用と分かるパーツは、(コストダウンという企業活動上の)日常性を感じさせることでその車の価値を下げ、ひいては芸術性をも下げることになりかねず、それはちょっと勘弁して欲しい、という私的な考え方を持っているためであります。

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