| アウディはやはり「TT」の名を捨てずに継続か |
アウディは今年5月に「TTは消滅」と明言し、しかし同じ価格帯のピュアエレクトリックモデルがその後を引き継ぐ、と発表。
これはアウディの年例ミーティングにてアウディCEOであるブラム・ショット氏が自ら発表したものであり、つまり「決定事項」。
そして今回、Auto Expressが「そのTT後継はクロスオーバーとなり、名称は「eTTron(イーティートロン)」になるだろう、と報道しています。※アウディはそのピュアEVについて"e-tron"と命名しているので、それとTTとをかけたネーミング
なお、アウディTTはディーゼル不正事件の犠牲者ともいえるクルマで、ディーゼル不正事件前は「TTをサブブランド化し、4ドアクーペや、クロスオーバーモデルを追加発売する」と言われ、実際に発表直前であった、とも。
ただしその後に発覚したディーゼル不正事件によってアウディ含むフォルクスワーゲングループは多額の補償金が必要になり、多くのモデルを「販売終了」に追い込むと同時に、計画中であったTTのバリエーション含むいくつかの計画もキャンセルに。
出力も現行TTシリーズと同じくらい
この「eTTron」はQ3よりもコンパクトな車になると報じられ、全長は4.35mあたりになると言われますが、車高はQ3よりもずっと低く、現在アウディが持つどのクロスオーバーよりも「クーペライクな」シルエットを持つ、とも。
プラットフォームはID.3と同じエントリークラス向けのEV用プラットフォーム「MEB」で、比較的コストを抑えたクルマになるようですが、これは現行TTと同程度の価格を実現しようとなると致し方ない部分とも言えそうですね。
ただ、TTと決定的に異なるのは(パワートレーンのほか)FFではなく「FRベース」になるということ。
駆動方式についてはFRと4WDがラインアップされ、FRは200馬力、4WDは400馬力(つまりモーターは1個あたり200馬力)というウワサです。※このあたりも現行TT、TTRSとよく似ている
バッテリー容量は45kWh、58kWh、78kWhの3種類がラインアップされ、一回の満充電当たり走行可能距離は320kmから547kmあたりになるようですね。
アウディは過去にこういったTTのバリエーションを計画していた
そしてアウディは過去にも多数の「TTのバリーエーション」を計画していたようで、2005年には「TTシューティングブレーク・コンセプト(8J世代のTTがベース)」を発表したことも。
そして2014年には「TTオールロード・シューティングブレーク・コンセプト」を発表。
こちらは4ドア(5ドア)のTTスポーツバックコンセプト。
アウディはクーペ風ハッチバックを「スポーツバック」と呼びますが、文字通り「4ドアクーペ版のTT」。
こちらはTTオフロード・コンセプト。
現在アウディはBMW X4やメルセデス・ベンツGLCほどルーフが傾斜した「クーペ風SUV」を持たないので、ウワサのeTTronが発表されれば、それらの有力なライバルになりそうですね。
なお、ぼくとしてはアウディの研修生が制作した「TTサファリ」をぜひ発売して欲しいと考えていますが、ここまで「ニッチ」だと、さすがにアウディも手を出せないかもしれません。