| ポルシェはいつまでも「クルマは自分でコントロールするもの」だと考えていると認識していたが |
ポルシェはつい2ヶ月ほど前にブランド初のEV「タイカン」を発表したところですが、タイカンは多くのEVがそうするように「ワンペダル」での運転操作を取り入れず、ほかのポルシェのスポーツカーのように「ブレーキを踏んで」減速する方法を採用しています。
「ワンペダル」操作はEV独特のものですが、アクセルペダルを緩めると同時に回生ブレーキによる強烈な減速が開始され、ブレーキペダルを踏まずとも停止できるという仕組み。
慣れるとブレーキペダルを要しないということも一つの特徴で、しかしポルシェはタイカンにおいて「アクセルペダルを緩めても」減速させず、減速させるにはブレーキペダルを踏まなければならない、という方法を取ったわけですね。
この理由については明かされていないものの、タイカンは「自分で運転するものであって、クルマにその減速を委ねるものではない」「クルマの姿勢はドライバーがコントロールすべき」という主張の一環なのだろう、と考えています。
ただ、今回ポルシェがドイツの特許庁に届け出たのは「ドライバーが運転に関わらない」自動運転についての図面であり、ついにポルシェも完全自動運転の採用に向けて動き出したということになりそうです。
今回の特許は「パワーシート」の構造を示すもので、まずこちらは通常の運転時。
ちょっと複雑な構成を持つものの、通常のドライビングポジションではありますね。
そして自動運転時にはこれが変形し、ドライバーがリラックスできる姿勢に。
ペダルから足が、ステアリングホイールから手が離れているので、「完全自動運転」ということになります。
そしてステアリングホイールは通常時だとこういったポジション。
ただし自動運転時にはペダルとともに前方に格納され、ステアリングホイールそのものが上向きとなり、より広い室内スペースを確保するようです。
リラックスポジションはこんな感じ。
ちょっとヘッドスペースが辛そうですね(もうちょっとシートが低くならないかと思うが、ポルシェがそれをやらないということは、どうしても無理なのだと思う)。
ポルシェは最近、「いずれは自動車の販売では会社を維持できなくなる」と発言し、自動車製造と販売以外のジャンルについても進出しなければならない、とコメント。
その中には渋滞回避のための技術や、より快適に移動するための技術といったものも含まれ、こういった技術を開発し、他社に提供することで利益を得ようということなのかもしれません(ポルシェは昔から特許による収入の割合が大きく、かつ他社の研究開発も請負うことで利益をあげてきた)。