| ここまで来るとA8セダンとの差異がよくわからない |
さて、アウディが中国にて「A7 L」を発表。
これはクーペ風セダンであるアウディA7スポーツバックを延長し、「セダン風にした」というクルマですが、セダンをクーペ風にして、それをまたセダンにしたというよくわからないモデルでもあります。
ちなみにA7は「A6セダンのクーペ風セダン」というポジショニングで、しかしその上には「A8」が存在しており、それを考えると今回のA7 Lは「A8と極めて近い」存在ということになりますね。
開発は中国の上海汽車との合弁企業
なお、このアウディA7 Lを開発したのはドイツのアウディ本社ではなく、中国は上海汽車とフォルクスワーゲンとの合弁企業。
「L」はもちろんロングホイールベースの「L」ですが、実際に98ミリもホイールベースが延長されている、と紹介されています(これによってA7 Lの全長は5,076ミリへ)。
こう聞くとますますA8との差が縮まるんじゃないかと考えているものの、中国ではA7とA8との価格差が大きく(A7は現地生産、しかしA8は輸入車なのかも)、うまいことA7とA8との中間の価格に収まるのかもしれません。
なお、A7 Lの開発にあたって変更されたのは車体後部のみで、具体的にはルーフ、後席サイドウインドウ、テールゲート(ダックテールスポイラー形状が見られる)やリアバンパーにテールランプ。
今回、現地アウディではA7 Lの発売にあたって「ファーストエディション」を用意しており、エアサスペンションに4輪操舵が与えられ、搭載されるエンジンは3リッターV6ターボ(335PS)、トランスミッションは8速DCT、駆動輪はもちろん4輪。
なお、今後は2リッター4気筒ターボモデルも導入されると言われますが、とにかく中国は「動力性能よりも大きさ」を重視しており、逆にエンジンパワーはあまり気にしない傾向にあるようですね。
ただ、ちょっと気になるのは今後エレクトリック時代に突入した場合、この傾向はどう変わるのかということ。
大きく長い車が好まれ続けるのは間違いなさそうですが、ピュアエレクトリックカーだとガソリンエンジンに比較して出力を上げることは難しくなく、よって「ガソリンエンジンだと200馬力くらいあれば十分」と考えている今の状況が「やっぱり1,000馬力くらいないとな」となるのか、はたまた「200馬力で十分」となるのかは不明。
ちなみに中国で「パワー」が重視されない理由は不明ですが、もともと中国はスピード超過含む交通違反に非常に厳しいことも関係しているのかもしれません。
新型アウディA7Lのインテリアはこうなっている
なお、新型アウディA7 Lのインテリアは基本的に通常版A7と同じ。
このほかの中国市場専用ロングボディ、そして今回のA7 Lについて「再設計されたのは車体後部のみ」と言われているところを見るに、拡大されたホイールベースのすべては後部座席のレッグルーム拡大に充てられたと考えて良さそうですね。
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