| マンハートも時代の流れに逆らえなかった? |
マンハートがこれまでの路線とは一転し、リバティーウォークばりのオーバーフェンダーを装着したカスタムカーを公開。
BMW M4カブリオレを思いっきりカスタムしたもので「MH4 700LW」と命名されていますが、これは文字通り700馬力を発生するクルマ。
マンハートはもともと本気派チューナー
エンジンはもとから積まれている3リッター6気筒ターボですが、このターボを大型化し、さらにインタークーラーの交換、ECUの打ち替えによってこの出力を達成。
もとの431馬力からのパワーアップ幅は驚異的で、しかしこれを実現できるということはそのまま「BMW M4は元来相当に高いポテンシャルを持っている」ということになりますね。
なお、マンハートはドイツのチューナーで、そしてドイツのチューナーらしく「超真面目」なチューナー、という印象があります。
実際のところこれまでもパワーアップに加えて足回りやボディを固め、純粋にパフォーマンスを追求してきたのがマンハートの事実。
ただ、今回のM4カブリオレについては見ての通り走り追求というよりはドレスアップ要素が強いもの。
リバティーウォーク風のリベット留めオーバーフェンダーやリアバンパーアンダーカバー、ダックテールスポイラー等はその端的な例ですが、これらは今までのマンハートとはまったく異なるもの。
クルマを弄る方向はいくつかあって、大きなものだと純粋にパフォーマンスを引き上げるための「チューン」、好みの見た目や雰囲気を追求する「カスタム」がありますが、欧州では前者、アメリカでは後者が多いように思われ、そしてリバティーウォークも当然後者。
つまりリバティーウォークは走行性能を追求したわけではなく、見た目を追求したチューナーだということになりますが、これはアメリカでは受け入れられた反面、ストイックなチューンを追求してきた欧州市場からは、「かえってクルマの性能を落としている」として相当な批判を受けることに。
ただ、最近のクルマのオーナーはクルマをファッションアイテムとして捉える傾向が強いのも事実で、必ずしも性能向上を求めてクルマを弄るわけではなく、そして年を追うごとにその傾向が加速。
それと同時にリバティーウォークの認知度や支持はどんどん拡大し、最近ではPriorデザインなど、ドイツのチューナーでも同様のオーバーフェンダーを採用するケースが登場しています。
そういった流れに逆らうのは現在のチューニング市場では難しく(なぜならユーザーがチューニングショップにもそういったカスタムを求めるようになっているため)、このような事情によって「あのマンハートも」クルマの運動性能を向上させる以外のチューニングメニューを提案せざるを得なくなったのかもしれません。