| ムラーノ・クロスカブリオレ、イヴォーク・コンバーチブル、そしてこれからはT-ROCカブリオレ |
おなじみレンダリングアーティスト、X-TOMI DESGNが「BMW X6のオープンモデル」をレンダリングにて作成。
BMWはメルセデス・ベンツ、アウディとともにSUVハッピーな会社で、かなり早い段階からSUVを販売してきた一方、「クーペSUV」といったバリエーションも積極展開しています。
ただし、そのBMWでも今のところ手を付けていないのが「3ドアクーペSUV」「オープンSUV」。
これはひとえに市場が小さく、ワリにあわないということがその理由ですが、逆にレンジローバーは「イヴォーク」にてこれらを発売。
BMWができないのになぜレンジローバーが?ということになるものの、これは単に両者の「会社の規模」の差。
BMWだと「とうてい採算にあわない」という台数であっても、レンジローバーの規模であれば「十分」ということになり、レンジローバーとしては、大手が狙わないようなニッチを”そのフットワークを生かして”狙ったということになります。
オープンSUVは「ニッチ中のニッチ」
ただ、発売当初はそれなりに売れたものの、3ドアクーペSUVやオープンSUVを求める人の総数はかなり少なかったようで、一定のところで販売が鈍化してしまうことに。
よって新型イヴォークでは3ドア、オープンモデルともに発売は見送られると言われていますが、つまるところ「その市場規模は、レンジローバーにとっても小さいものだった」。
この現状を鑑みるに、BMWやアウディ、メルセデス・ベンツといったジャーマンスリーは「いかに空白といえど」この狭いスペースに製品(クルマ)を投入するとは考えにくく、よって「オープンSUVは、今後どこからも(T-ROCカブリオレカブリオレを除いて)出ることはないだろう」と考えています。
なお、オープンSUVを作るにはそもそもベースとなる「3ドア」を持っている必要があり、というのもオープン化するとなると、後部座席のドアの「支柱」がなくなり、普通に考えるとドア4枚の開閉が困難になるため(タルガバーを採用すれば解決できる)。
そして現時点では3ドアSUVを持つメーカーは非常に少なく、ぱっと思いつくのはジープ・ラングラー(これはオープンSUVといえばオープンSUVなのかも)、そして新型ランドローバー・ディフェンダーくらい。
ちなみにフォルクスワーゲンは「T-ROC」を3ドア化し、その上でオープン化した「T-ROCカブリオレ」を発表していますが(2020年春発売予定)、フォルクスワーゲンは「販売台数が少ないから」という理由でビートルやビートルカブリオレ、ゴルフカブリオレ、EOSなどを続々生産中止していて、これを考えるとT-ROCカブリオレの投入は「不可解極まりない判断」。
フォルクスワーゲンは経験上「オープンカーは売れない」ということを理解しているはずですが、「オープンカーは売れなくとも、オープンSUVだと売れる」と考えたのかもしれません。
そして現在、そしてここしばらくは、T-ROCカブリオレが自動車業界唯一の「オープンSUV」ということになりそうですね。
忘れちゃいけない、「ムラーノ・コンバーチブル」
なお、過去にはエポックメイキングな「オープンSUV」が存在し、それは日産ムラーノ・コンバーチブル(クロスカブリオレ)。
2011年から2013年の間に北米市場限定で展開され、トータルで5,800台程度が販売された、と言われます。
ムラーノはもともと「5ドア」ですが、Aピラー以降を新設計して「2ドア」に。
現在の「売れるクルマしか作らない」日産からは考えられないような贅沢なクルマですね。※当時の日産は350Zコンバーチブル、G37コンバーチブルなど、オープンモデルをけっこう揃えていた
VIA:X-TOMI DESIGN