| ちょっと前までは100万円台の売り物も出ていたが |
BMWは昨年「8シリーズ」をリブートしたところですが、これは現時点では”全く予定通りに売れていない”と言われます。
ただ、その一方で価値を上げているのが初代BMW8シリーズだそうで、昨年に101,500ドルで販売された個体が現在149,990ドル、つまり1.5倍にて販売されていると話題に。
この「初代」8シリーズ(E31)は1989年のフランクフルト・モーターショーで公開され、それまでのBMWとは大きく異るリトラクタブル・ヘッドライトを装備して登場したことが衝撃的。
登場時はV12エンジン搭載車(850i、1450万円)のみで価格は非常に高価であり、メルセデス・ベンツSLと同じクラスに属するも「オープンモデルがない」ことから北米ではSLには人気面で一歩譲ることに。
日本国内でも「ゴルフバッグが積めない」ことから(バブル期の発売にも関わらず)人気化しなかったと言われます。
後に安価な840Ci(1050万円)が追加され、こちらは4リッター/4.4リッターV8エンジンを搭載しており、1999年まで販売され、ここで8シリーズのライフは一旦終了。
生産期間中に製造されたのはわずか1,510台で、そのうち225台が北米にて販売されており、1,510台のうち203台がBMW8のパーソナリゼーションプログラム「インディビデュアル」にてカスタムされた、とも言われていますね。
ちなみに今回販売されている個体もインディビデュアルにてオーダーされた個体だそう。※ボディカラーは、当時のMモデルに採用されていた”ダカール・イエロー”
なお、この1,510台というのはかなり少ない台数と思われ、しかしBMWはよくこの状況で8シリーズを現代に復活させたな、という驚きも(トラウマになっていないのが不思議)。
ただし新型8シリーズも初代と同じ道をたどることになりそうで、一旦は現在のモデルにて「販売終了」となるのかもしれません。
この個体については、新車時にはアメリカではなくドイツ国内にて販売されたもの(ユーロスペック)で、その後2002年にアメリカへと輸入されることに。
ちなみにエンジンはもともと5.6リッターV12が積まれており、しかし2011年に新しいエンジン、そして新しいトランスミッション(6速マニュアル)へと載せ替え済み、とのこと。
ちなみに左右バンクの真ん中(”M”ロゴのカバーがある部分)に配線が通っていて、ここが熱でやられるというトラブルが頻発したことでも知られます。
ぼくは一時期、8シリーズの中古を買おうとしていくつか現車を確認しましたが、やはりここをやられている個体がほとんどであったのが印象的(8シリーズに関する記憶というと、これしかない)。
そのほか、2018年にはバッテリー、エンジンマウント、リアサスペンションのジョイント類が交換されている、とのこと。
今回この8シリーズを販売しているのは北米のエンスージアスト・オートグループですが、コンディションは「上々」としており、販売には自信を見せています。
なお、内装はブラックレザー。
年式を考えると、たしかに素晴らしいコンディションを持っている模様。
センターコンソールには「自動車電話」が装着されており、これは時代を感じさせるところですね。
リアシートは思いのほか広く、「ギャザー」がやはり90年代風。
なお、初代BMW 8シリーズはちょっと前まで100万円台~500万円台で販売されていましたが、直近だと240万円~750万円。
確実に相場が上がっている一台であり、カーセンサー上では3台のみしか確認できないので、そのうちこれらの在庫も北米に流れてしまうのかもしれません。
ちょっと前には、ブルネイ王族が所有していたとされる8シリーズが売りに出されていて、その際の価格は約560万円。
これを見ても、この1~2年で8シリーズが急激に価格を上げているということがわかりますね。