| 現在中古にて販売中、その価格は2億6000万円 |
見どころ満載のメルセデス・ベンツ600(グロッサー・メルセデス)が中古市場に登場。
これは1963年から1981年にかけて2,677台がハンドメイドにて製造された「VIP専用」のリムジンで、ショートホイールベース(といっても長いのですが)とロングホイールベースとが存在します。
このシリーズの中でもっともレアなのは「ランドーレット(59台のみ)」、次が「プルマン」だとされますが、今回売りに出されている個体はそのうちの「プルマン」のほう。
ちなみにメルセデス・ベンツはこれまでもリムジンに「プルマン」の名称を与えていますが、名称の由来はアメリカの鉄道車両製造会社である「プルマン社」が製造した豪華寝台特急車だとされ、これが後にメルセデス・ベンツの豪華なリムジンに転用されるようになった、とされています。
初代はメルセデス・ベンツ770(W150/1938年)で、その後W189、W100、W140と続くことになり、現行マイバッハSクラスにも「プルマン」が設定されていますね。※今回のメルセデス・ベンツ600プルマンは「W100」世代
内装には「現代の装備」も
このメルセデス・ベンツ600プルマン(1975年製)は多くの見どころをもっていて、まずボディカラーは「パールホワイト」。
これは当時採用されていかったもので、ビルダーのオリジナルということになりますね。
そしてこれも当時はなかった「ムーンルーフ」も。
ただしいたずらに「現代っぽい」装備を追加せず、基本的には当時のデザインやパーツを維持しています。
なお、前後には「(周囲確認用の)カメラ」が隠されているようですね。
インテリアはより「現代っぽく」
なお、このメルセデス・ベンツ600プルマン最大の特徴は「インテリア」。
全てのパーツがレストアされ、アイボリーとワインレッドとのシックな仕上がりとなっています。
メーターは当時のままのシックなデザイン。
一方でカーナビゲーション(アルパイン製)はセンターコンソールに埋め込まれ、操作系も木目パネルの中に装着されることに。
スカッフプレートは現代のメルセデス・ベンツから移植されたLED自発光式。
そしてこちらは後席ですが、多くのコンポーネントはマイバッハ62から移植されている、と紹介されています。
ルーフ上部にある時計や温度計はアナログ。
このモニターは昇降式で、運転席と後席とを仕切るガラス、そしてムーンルーフの「不透明度」は電気的に調整できる、とのこと。
もちろん冷蔵庫やグラスホルダーも。
その他の装備だと前後オートエアコン、アンビエントライト、DVDプレイヤー、ドルビーサラウンド・サウンドシステム、ブルートゥース等がリストアップされています。
いずれもクルマの雰囲気を損なわないよう、最新の注意を持ってカスタムされていることがわかりますが、そのためレストアにかかったのはなんと7年(2007年から開始)。
エンジンは6.3リッターV8(250馬力)、トランスミッションは4AT、駆動輪は後輪のみ。
走行距離はわずか1,112kmにとどまる(レストア後ではなく当時からの積算)というレアな個体であり、もちろんそのぶん価格は安くなく、販売価格は邦貨換算にて約2億6000万円が提示されています。
ほかにはこんなメルセデス・ベンツ「プルマン」も
今回のW100以外にも様々な世代の「プルマン」があることは述べたとおりですが、こちらはW140世代のプルマン。
上海の政治家が使用していた個体が一気に売りに出されたことがあったようですね。
上海外務省が希少なメルセデス・ベンツのリムジン、S500Lプルマン8台を放出
そしてこちらは現行モデル、メルセデス・マイバッハSクラス”プルマン”。
重量5トン、価格1億6000万円と言われる”超”高級車です。