| ガソリンエンジンは「規制のためか」出力向上ができなかったようだ |
奇しくもメルセデス・ベンツEクラスクーペとタイミングを同じくして、BMWが「新型5シリーズ」を発表。
今回の新型5シリーズはフルモデルチェンジではなく、フェイスリフト(マイナーチェンジ)扱いではあるものの、その外観から受ける印象が大きく変わっており、さらにはハイブリッドシステムも一新することで大きく魅力を向上させています。
新型5シリーズはどう変わったのか、ここでその詳細を見てみましょう。
BMWは5シリーズのフェイスリフトには細心の注意を払ったようだ
新型5シリーズの外観を見るに、BMWはかなり注意深くデザインを行ったようで、というのも「キドニーグリルがさほど大きくなっていないから」。
7シリーズのフェイスリフトにおいては、ボンネットを5センチ高くしてまで巨大なキドニーグリルを与えており、それによって(非常に)大きな批判を浴びることとなってしまい、BMWとしては「7シリーズの二の舞」は避けたかったのかもしれません。
ただ、それでも横方向には拡大されており、表面積としてはけっこう大きくなっているのかも。
そしてヘッドライトも外形・内部構造ともにデザインが変更され、細く長く、そしてデイタイムランニングランプはヘキサゴンからLシェイプへ。
なお、画像は「Mスポーツ」ですが、グリル内部のメッシュデザインも最新へ(Z4以降、BMWはメッシュのデザインにかなりこだわっている)。
テールランプも新しい「Lシェイプ」を持ち、レンズやインナーがブラック化され、発光部分はより太くなり、さらに印象的なリヤビューを演出しているように思います。
新型5シリーズのラインアップはこれまでと変わらず「530i」「530e」「540i」「M550i」の4つですが、540iに新しい48ボルト・マイルドハイブリッドが搭載されたのがひとつのトピック。
BMWによると、トータルでの出力は335馬力と変わらないものの、燃費と加速性能、レスポンスが大きく向上している、とのこと。
そしてもうひとつのトピックは「530e(プラグインハイブリッド)」の出力向上で、こちらも新型ハイブリッドシステムを搭載し、これによって従来比+40馬力へ。
BMWはこれを「XtraBoost(エクストラブースト)」と呼んでおり、かなりな運動性能向上が期待できそうですね。
トップレンジのM550iについては出力/加速性能ともにかわらず523馬力、0-100km/h加速3.6秒に留まっていますが、「パワーアップしてくるのが当たり前」のフェイスリフトにおいて、これはちょっとめずらしい例。
これについて考えてみると、今後さらに厳しくなる環境規制に対応させようとなると「パワーアップどころではない」のかもしれず、現状維持がやっと(それでもかなりの改良を行ってようやく出力をキープしているのかも)ということなのかもしれません。
実際のところ、今回のフェイスリフトにおいてパワーアップを果たしたのは「プラグインハイブリッド」しかもエレクトリックシステムのみということを見るに、「もうガソリンエンジンをパワーアップさせることは(規制のため)不可能に近いのでは」ということも推測できます。
話を新型5シリーズに戻すと、「ちょっとした」変更にとどまるにもかかわらず全体的な印象は大きく変わっており、「前後ランプの変更でこれほどまでにイメージが変わるのか」と驚かされますね。
なお、ヘッドライトは「マトリクスLED」「コーナリングランプ」「幻惑防止ハイビーム」等の機能が盛り込まれている模様。
対応するホイールは18~20インチまで。
デザインは一新されていずれもシャープかつダイナミックな造形を持っています。
ウインカーが発光するとこんな感じ。
インテリアはエクステリアほどの変更が見られず、しかしインフォテイメントシステムは最新の「iDrive7」へ。
操作に対するレスポンスや、グラフィックの美しさが向上しているようですね。
「通常版」5シリーズの外観はこうなっている
そしてこちらは「Mスポーツ」ではない、通常の5シリーズ。
Mスポーツに比較すると、フロントバンパー内のトリム、フロントフェンダー脇のギル、リアバンパー等にクロームの加飾が与えられ、高級感を演出しているように見えます。
装着されるのはオプションの20インチ「エア・パフォーマンス」ホイール。
これは見たところ(名前が示すとおり)リムがディク形状を持っていて、整流効果を発揮する構造を持っているように思われます。
参照:BMW