| フラッシュマウントドアハンドル、iXばりのインフォテイメントシステムには驚いた |
これで価格が従来モデルとそう変わらなければ「非常に高い競争力」を発揮することになりそうだ
さて、今週はじめのリーク情報に続き、BMWがフルモデルチェンジ版となる「2シリーズ・アクティブツアラー」を正式に発表。
全体的なフォルムはさほど変わっておらず、しかし大胆なディティールを採用したことで好き嫌いが分かれるかもしれません。
まずフロントを見てみると、ボンネットが高くなって巨大なキドニーグリルが設置され、その脇には、洗練されたデザインを持つLEDヘッドライト、その下には縦型エアカーテンが配置されています。
新型2シリーズ・アクティブツアラーは「シャープな」印象に
そしてその”シルエット”だと、新型2シリーズアクティブツアラーは、先代よりもやや鋭角的なフロントガラスと流線型のボディワークを採用し、「ミニバン」から「ハッチバック」に近い印象を持つに至ったようにも。
サイドウインドウのグラフィックは後方に向けて上昇し、リアウインドウが小さくなることでウエッジシェイプ感が強調され、テールランプが細長い形状となることで幅広感が演出されている模様。
これらによってずいぶんスポーティなルックスに生まれ変わったようにも思います。
なお、ドアハンドルはi4で導入された「フラッシュマウント」ですが、比較的ベーシックな2シリーズ・アクティブツアラーにこれが採用されているところを見るに、今後これがBMWの「標準」となるのかもしれませんね。
欧州仕様ではいくつかのグレードが公開されており、最高出力134ps(100kW/136PS)、最大トルク170lb-ft(230Nm)を発生する1.5リッター3気筒ターボエンジンを搭載した218i、154ps(115kW / 156PS)、トルク177lb-ft(240Nm)を発生する220i、2.0リッター4気筒ターボチャージャーを搭載し最高出力201ps(150kW / 204PS)、最大トルク236lb-ft(320Nm)を発揮する223i、そして最高出力148ps(110kW/150PS)、最大トルク266lb-ft(360Nm)の2.0リッターターボディーゼルエンジンを積む218d。
いずれもトランスミッションには7速デュアルクラッチが採用され、220iと223iのギアボックスにはエレクトリックモーターが組み込まれ、これによって最大19馬力(14kW / 19PS)の「パワーアップ」が可能です。
オプションとしてはLuxury LineとM Sportが用意されており、「M Sport」を選ぶと、ブルーの個体のようにアグレッシブなルックスが与えられるようですね。
装着されるホイールは標準だと16-17インチ、しかしオプションでは19インチまでを選択できる、とのこと。
新型BMW 2シリーズ・アクティブツアラーのインテリアはこうなっている
そして新型2シリーズ・アクティブツアラーにおいて特筆すべきは「インテリア」で、部分的には従来のBMWと同様のパーツを使用しながらも「新しい」デザインが数多く見られ、雰囲気的にはピュアエレクトリックモデル「iX」に近いという印象。
メーターやインフォテイメントシステムは10.25インチのデジタル・インストルメント・クラスターと10.7インチのインフォテインメント・システムで構成されており、GPSナビゲーションが標準装備されているほか、Android AutoとApple CarPlayの統合機能が向上しています。
インフォテイメントシステムは、BMW Operating System 8を搭載し、インテリジェント・パーソナル・アシスタントや5G接続機能を備える、とのこと。
他にも、ミニマルなシフトレバーを備え、コントロールパネルが統合された「フローティング」アームレストが組み込まれるほか・・・。
シートのデザインも新しくなっている模様。
もちろん、2シリーズ・アクティブツアラー最大の売りでもあるカーゴスペース容量が「増加」していること。
リアシートは最大5.1インチ(130mm)までスライドでき、これによってトランク容量が3.2立方フィート(90リットル)も増加し、リアシートの後ろには最大16.6立方フィート(470リットル)のスペースを確保可能。
さらにはリアシートを折りたたむことで、最大51.4立方フィート(1,455リットル)の容量が出現します。
現時点で新型2シリーズ・アクティブツアラーの価格は発表されていないものの、今後ランナップの拡充も視野に入っており、来年の夏には「プラグインハイブリッド」モデルも追加されるようですね。
なお、BMWは(階級社会が色濃く残る欧州らしく)シリーズ間にて装備や仕様に差別化を設ける傾向があり、つまり上位シリーズには上位の装備を、エントリーグレードにはエントリーレベルの装備を与える傾向があったと認識していますが、この2シリーズ・アクティブツアラーについては「上位シリーズと同等の仕様と装備」を持っているようにも思われ、BMWの方針もやや変わってきたのかもしれません。
参考までに、メルセデス・ベンツについても、以前は「クラス間での差別化」を強く意識していたものの、最近ではそういったこだわりを持たず、「新しいモデルには(クラス関係なく)最新の装備を与える」方針へと変化しています。
これにはいろいろな理由があるかと思いますが、技術革新のスピードが速くなり、新しいデバイスを「後に発表される上位モデルのためにとっておくと」すぐに古くなってしまったりライバルに先を越されてしまうこと、そしてそもそもクルマ自体が「走るスマホ化」することで、その選ばれ方も(ライフスタイルにわせて)変わってきており、「上位モデル=いいクルマ」という概念そのものが根本から崩れ去ろうとしているのだと思われます。
新型BMW 2シリーズ・アクティブツアラーのレビュー動画はこちら
参照:BMW