| ただ、やがてはAIが人間の思いつかないようなデザインを作り出す時代が来るだろう |
しばしそれまでは「人間の補佐」にとどめておくのがベターなのかもしれない
さて、ここ最近なにかとデザインについて語ることが多いBMW。
今回、BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏が人工知能(AI)のデザイン分野における活用について語っており、同社がすでに人工知能をデザインプロセスに取り入れたことについて言及しています。※一番上と一番下の画像はぼくが「未来のBMWのスポーツカー」と画像生成AIソフトに入力したら出てきたもの
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BMWはAIに全責任を委ねることはしない
現在BMWがデザイン段階においてAIを取り入れているのは「ホイール」だといい、たとえばAIに対して「5本スポークで、20インチで、重量はこれくらい」というプロンプト(パラメータ)を入力すればいくつかのアイデアを出してくれるソフトを用いているのだそう。
ちなみにアウディも「ホイールのデザインにAIを取り入れている」とコメントしていますが、用途としてはほぼ同様であったと認識しています。
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なお、エイドリアン・ファン・ホーイドンク氏はAIとデザインとの関係性において、「AIは時として非常に優れたツールとなりえますが、それでも、人間として、我々はアートディレクターになる必要があります。コンピュータは完全に物事を発明できるわけではありませんが、さまざまなパラメーターを組み合わせて、人間よりもずっと早く様々なデザインを提案することができ、しかし任せっきりにすることはできず、”選ぶ”必要が出てくるのです」とコメント。
さらには「AIに車体のデザインを任せることができるか」という問題に対しては「AIは、ネット上にある画像やスケッチを使い、さまざまな方法でそれらを組み合わせて新しいデザインを生み出すことが可能です。ただ、AIは既存のデータを組み合わせるだけなので、出来上がったものはすでに見たことがあるようなデザインになってしまうのです」とも。
現段階だとAIは「人間の補助」としての活用が最適か
現在様々なデザイナー、そしてユーチューバーがAI活用について言及しており、実際に作品を披露したりしていますが、現時点ではエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏の言うように「見たことがある」ものになってしまうことが多いもよう。
たとえば「マクラーレンのSUV」と入力してみても、なぜかランボルギーニ・ウルスのようなものが提案されたりするため、デザイナーとしてはこれをそのまま使用することは自身のデザイナー生命を放棄することを意味するのかもしれません。
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ただ、現在BMWやアウディが行っているように、「アイデアソースとして活用」するぶんには人の可能性を拡張することにもつながるものと思われ(優れたアウトプットを行うにはインプットが多い方がいい)、AIを利用するのであれば、確固たる目的を持ち、その達成のための手段のひとつとして利用するのがベターであり、目的そのものをAIに委ねるべきではないのでしょうね。
実際のところ、AIが出力するものは「実現不可能」「なんか色々おかしい」というものもありますが、それを「どこがどうなっているのか」「なんとか実現できないか」と考えるだけでも自分自身の幅が多少なりとも広がるのかもしれません。
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参照:TopGear