
Image:BMW
| BMW、またもやニュルの王者に。今度は「ワゴン」 |
BMWは意味深なティーザー動画を透過していたが
BMWがニュルブルクリンクでまた一つ記録を打ち立てたと発表。
今度の主役はサーキット専用車ではなく、ファミリーカーの皮を被った怪物「M3 CSツーリング」ですが、この高性能ワゴンが全長20.8km)のグリーン・ヘルを7分29秒490で駆け抜け、「史上最速のワゴン」として名を刻むこととなっています。
運転したのはBMW M部門の開発エンジニアであり、ツーリングカー・レーサーでもあるヨルグ・ヴァイディンガー氏。
2022年にM3ツーリングで記録した7分35秒060を5秒以上短縮し、M3 CSセダン(7分28秒760)にも肉薄するタイムをマークしています。
-
-
【随時更新】ニュルブルクリンクのラップタイム最新版。ランキング100位まで、そして「SUV」「FF」「EV」「コンパクト」などカテゴリ別最速車を見てみよう
Mercedes-AMG この2年ほどでニュルブルクリンクのラップタイムは大きく短縮 ニュルブルクリンクにおける市販車のラップタイム「最新版」。 このランキングも当初「ベスト50」から始めるも、なんど ...
続きを見る
競争相手は「不在」?ワゴン界の独走状態
この記録のユニークな点は、競合車がまったく記録に挑んでいないこと。
最新のアウディRS6アバントやBMW M5ツーリング、RS4アバントといったライバル車のニュル記録は公表されておらず、BMWの事実上の“デフォルト勝利(あるいは不戦勝)”とも言えます。※ただ、ほかのワゴンがニュルに挑んだとしても、M3 CSツーリングのタイムを破ることは難しいだろう
Image:BMW
とはいえ、このM3 CSツーリングの記録は単なる宣伝文句ではなく、明確な性能の裏付けがあるもので、BMWはニュルブルクリンクに自社のテストセンター、Mパワー・グランドスタンド、Mトラックブリッジを構え、Mモデル専用の走行体験施設「BMW Mドライビング・エクスペリエンス」まで設置。
開発から実走まで、ニュルをフル活用しているわけですね。
M3 CSツーリングのスペック:ワゴンの皮をかぶった猛獣
M3 CSツーリングは、M3 CSセダンのパフォーマンスをそのままステーションワゴンに移植したモデル。
3.0リッター直列6気筒ツインターボ(S58型)エンジンは543馬力と479lb-ft(約649Nm)を発揮し、8速ATとBMW独自のM xDriveによる4WDでパワーを路面に伝えます。
軽量化も抜かりなく、カーボンファイバー製パーツの採用に加え、3Dプリントで作られたシリンダーヘッドのコア構造や、強化サスペンション、Mコンパウンドブレーキ(オプションでカーボンセラミック)などを搭載。
フロントにはサーキット走行を見据えた極端にサポート性の高いバケットシートを採用しています。
Image:BMW
まとめ:BMWが再び証明、「ワゴンでもニュル最速」は可能だ
BMW M3 CSツーリングが成し遂げた記録は、単なる速さだけでなく、BMW Mの総合的な開発力とニュルブルクリンクにおける長年のノウハウのまさに”結晶”。
スーパーカー顔負けのラップタイムを叩き出すこの“ウーバーワゴン”は、パフォーマンスと実用性の両立という理想を、見事なまでに体現しています。
現時点ではメルセデス・ベンツに比較すると「ニュルブルクリンクでの上位占有率が低い」BMWではありますが、今後は徐々にその存在感をニュルブルクリンクにおいても強めてゆくのかもしれませんね。
Image:BMW
BMW M3 CSツーリングがニュルブルクリンクで「ワゴン最速」記録を達成する動画はこちら
参照:BMW