| 吉利汽車はダイムラーの筆頭株主を目指す |
昨年に中国の吉利汽車がメルセデス・ベンツの親会社である「ダイムラー」の株式を取得と報じられていますが、吉利汽車は実際にこれを行っており、その動きをさらに加速させて「筆頭株主」になろうとしている、とロイターが記事を配信。
なお吉利汽車は現在ダイムラーにおいて「3番め」の大株主。
メルセデス・ベンツの持つバッテリーテクノロジーを欲しており、メルセデス・ベンツとパートナーシップを結ぶことで中国市場においてEVを展開したいという意向を示していて、一度はメルセデス・ベンツに提携を持ちかけるも「拒否」されています。
その後実力行使ということで株式を買い進め、メルセデス・ベンツに対する影響力(というか支配力)を強めようということですね。
吉利汽車の勢いは止まりそうにない
吉利汽車は現在ボルボ、ロータスの親会社であり、新ブランド「Lynk&Co.」が好調な発進を見せたことでも話題に。
ボルボ/ロータスの親会社、吉利汽車の「Lynk&Co 01」発売。なんと初回生産分が137秒で完売
ボルボ/ロータスの親会社、吉利汽車が空飛ぶ車の会社を買収。今後はロータスも空へ?
ロータス親会社、吉利汽車の株価が最高値に。現在すでにフォードの半分の時価総額へ成長
中国の吉利汽車とボルボがベンチャー設立。お互いの技術を共有しLynk&Coにも技術提供
ロータスの親会社、吉利汽車が生産拠点を中国に移動させる方針を発表。「利益を最大化」
その会社規模は急激に拡大しておりもはや無視できないレベルですが、他にも中国企業はジープの買収に意欲を示すなど、その勢いは欧米の自動車メーカーにとっても大きな脅威となっています。
なお現在のところ中国の自動車メーカーと海外自動車メーカーとの提携状況は下記の通り。
メルセデス・ベンツの中国での合弁相手は「北京汽車」であり、すでに中国国内におけるEV製造については合意済みだと報じられていますね。
それを考えると、吉利汽車はダイムラーの株式購入ではなく、北京汽車を買収したほうが良いのでは、とも考えます。
ベンツも中国でEV生産。このままだと中国はEV生産大国になり世界中に輸出か
第一汽車(FAW)・・・フォルクスワーゲン、トヨタ、ダイハツ、マツダ、アウディと合弁を展開
上海汽車(SAIC)・・・フォルクスワーゲン、アウディ、GM、セアトと合弁を展開。ローバーブランドを保有
東風汽車(DFM)・・・日産、ホンダ、プジョー/シトロエン、キアと合弁を展開
長安汽車(CHANGAN)・・・フォード、スズキ、三菱と合弁を展開。イヴォークのパクリ車を製造するLANDWINDブランドを保有
奇瑞汽車(CHERY)・・・合弁はなく自社ブランドのみで企業活動を行う珍しいパターンビッグ5以外(一部)
北京汽車(BAIC)・・・メルセデス・ベンツとの合弁を展開
広州汽車(GAC)・・・ホンダ、トヨタ、フィアット、三菱と合弁を展開
吉利汽車(GEELY)・・・ボルボ、ロータスを買収、新ブランドLynk&Co.を展開。メルセデス・ベンツとのパートナーシップ希望
長城汽車(GREATWALL)・・・BMW(MINI)と提携しアメリカに工場建設。世界一のSUVメーカーになるべくジープブランドがほしい
比亜迪汽車(BYD)・・・メルセデス・ベンツとEV生産で合弁
華晨汽車(BRILLIANCE)・・・BMWと合弁
浙江衆泰控股集団(ZOTYE)・・・ポルシェ・マカンほかのパクリメーカー。フォードとEV生産で合弁設立
江淮汽車(JAC)・・・フォルクスワーゲンとEV生産で合弁