| 最近のクルマは高度に複雑化しすぎた? |
さて、トヨタ、メルセデス・ベンツ、ボルボが国土交通省へとリコールを届け出。
いずれも台数としては多くはなく、重要性の高くないものばかりですが、それぞれの内容を見てみたいと思います。
まずトヨタは「カローラ」「カローラスポーツ」と「カローラツーリング」。
それぞれ内容が異なるものの、カローラスポーツだと「バックランプが点灯しなくなる可能性がある」。
対象となるのは令和元年12月5日~令和元年12月17日に製造された427台で、対応としては「電気配線を良品と交換する」とのこと。
不具合の内容としては下記の通りです。
バックドアの電気配線において、製造工程での導通検査設備が不適切なため、電気配線の端子が変形して接触圧が低下し、温度や湿度の影響により当該端子に酸化物が生成されて導通不良が生じることがある。そのため、後退灯等が機能しなくなるおそれがある。
国土交通省
カローラ系は制動力低下の恐れ
そしてトヨタのもう一件、「カローラ」「カローラスポーツ」と「カローラツーリング」に共通するのが制動力低下の恐れ。
けっこう怖い内容ではあるものの、実際に発生した不具合報告はなく、サプライヤーの報告によって今回のリコールに至ったようですね。
とよたはこういった感じでサプライヤーをしっかりコントロールしており、「市場から問題報告を受ける前に」自社で問題を把握し、早急に対応することが多いようです。
対象となるのは令和2年1月8日~令和2年1月10日に製造された149台で、ブレーキマスターシリンダの交換が必要、とのこと。
ブレーキマスターシリンダにおいて、組付設備が不適切なため、ゴム製シールの表裏を正しく検出できず、逆向きに組付けてシールリップ部が損傷するものがある。そのため、当該リップ部がシール不良となり、ブレーキペダルをゆっくり踏む際に制動力が低下するおそれがある。
国土交通省
ボルボは衝突回避・被害軽減ブレーキが作動しない可能性
ボルボは比較的リコールが少ないメーカーだと認識していますが、今回珍しくリコール届け出。
S60、V60、V60クロスカントリー、V90、V90クロスカントリー、XC60、XC90、XC40の8車種、合計12,556台が対象となっています。
対応についてはプログラムの書き換えで終了するとされ、物理的な交換作業は行わずに済みそうです。
リコールの動機は「本国からの情報による」、そして日本国内での不具合報告、事故ともにゼロ。
不具合の内容は下記のとおりです。
衝突被害軽減ブレーキシステムにおいて、レーダー及びカメラを搭載したASDM(アクティブセーフティドメインマスター)のプログラムが不適切なため、前方の静止車両や歩行者をシステムが検知できないことがある。そのため、衝突回避・被害軽減ブレーキが作動しないおそれがある。
国土交通省
メルセデス・ベンツGクラスは走行不能になる可能性
メルセデス・ベンツはGクラスにリコール届け出。
これは変速機のプログラムに問題があり、走行不能になる可能性があると報告されています。
平成27年8月25日~平成30年6月12日の間に輸入された1,114台が該当し、対応としてはプログラムの書き換え。
問題の内容は下記の通りで、これによる不具合件数報告、事故ともにゼロ。
オートマチックトランスミッションコントロールユニットにおいて、制御プログラムが不適切なため、急減速を行うと変速が遅延することがある。そのため、ギアがニュートラルに入りそのまま変速ができなくなり、エンジンを再始動するまで走行不能になるおそれがある。
国土交通省
メルセデスAMG 「63」系は火災の恐れ
さらにメルセデス・ベンツはリコールを届け出ていて、こちらはメルセデスAMG E63S 4MATIC+、メルセデスAMG E63S 4MATIC+ステーションワゴン、メルセデスAMG S63、メルセデスAMG S63 4MATIC+、メルセデスAMG S63 4MATIC+クーペ、メルセデスAMG S63 4MATIC+カブリオレ、メルセデスAMG G63、メルセデスAMG GT63S 4MATIC+の8車種、合計875台。
こちらはターボチャージャーのオイル供給ホースに問題があり、最悪の場合は炎上の可能性も。
対策としてはホースを良品に交換するとしています。
リコールの動機はドイツ本社からの情報で、日本国内における不具合件数、事故はゼロ。
輸入期間は平成30年7月6日~令和元年5月6日と報告されています。
不具合の内容は下記の通り。
ターボチャージャーのオイル供給ホースにおいて、エラストマーの製造管理が不適切なため、耐熱性が不足しているものがある。そのため、熱負荷により亀裂が生じ、オイル漏れが発生して、最悪の場合、漏れたオイルが排気管に付着することで火災に至るおそれがある。
国土交通省