| 今まではボディカラーの少なさが”引っかかって”いた |
さて、最近になり積極的な展開を行っているアルピーヌA110。
発売当初は半年~1年の納車待ちと言われたものの、現在では「初モノ買い」需要も一巡したのか、おそらくは人気が持続せず、そこで様々な(テコ入れ策として)プロモーションを行っているものと思われます。
そして今回アルピーヌが発表したのが「アトリエ・アルピーヌ(Atelier Alpine)」なるカスタムプラン。
これはマクラーレン「MSO」、ポルシェ「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」、フェラーリ「テーラーメイド」、ランボルギーニ「アドペルソナム」のようなパーソナリゼーションプログラムで、ボディカラーほかをオーダーメイドにて仕上げることが可能となっています。
選べるボディカラーは29色
今回のアトリエ・アルピーヌにて用意されたボディカラーは29色。
もともと選択できたカラーがわずか数色であったことを考えると驚くべき豊富さでもあり、かつ、これらはアルピーヌに縁のある「ヘリテージカラー」。
さらにはこれまでラインアップされなかった「イエロー」のような明るいボディカラーも用意されています。
こちらのイエローは「Jaune RDL」というボディカラーで、アルピーヌの設立社の名(ジャン・レデレ)にちなんだものだそう。
鮮やかなグリーンは「Vert Jardin」、1975年から1977年の間にカタログカラーとして用意されていたようですね。
このオレンジは「Orange Sanguine」という名称で、1970年代まで選択できた12色のうちのひとつ。
こんな感じで、それぞれにストーリーのある「29色」が用意されています(過去のアルピーヌにこれだけ豊富なカラーがあったというのは驚き)。
そのほか、ホイールだと形状では「GR RACE」「LEGENDE」「SERAC」が選択でき(いずれもサイズは18インチ)、カラーはホワイト、グロスブラック、ヴィブラント・ゴールドを選べます。
ブレーキキャリパーについてはライトグレー、イエロー、ゴールド、レッドがラインナップされており、ホイールとの組み合わせにて様々な表情を楽しむことができそう。
アルピーヌはこういった歴史を持っている
アルピーヌは1956年にレーシングドライバーであったジャン・レデレが設立したブランドですが、ジャン・レデレがルノーディーラーを経営していたという関係上、当初はルノーのチューンナップ車、ルノーをベースにしたコンプリートカーを販売することからスタート。
その後1973年にルノーに株式を譲渡して「ソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ルノー」となり、1995年まで存続。
ただしその後もルノーの特殊車両(スポールスピダーやメガーヌRSなど)を生産するなどして組織としては存続しており、2012年に独自ブランドとしての復活がアナウンスされることに。
2017年にはついに「A110」が発表され、その後にはハイパフォーマンス版のA110Sが追加されています。
アルピーヌというとA110、V6ターボ以外はほぼ知られていないものの、実際にはA106やA108といったクルマも販売されており、比較的成功した部類の自動車メーカーだと考えて良さそうですね。
アルピーヌA110はジェームズ・メイ、ゴードン・マレーらも高く評価しているクルマであり、ぼくもずっと欲しいと考えているクルマのひとつ。
現在アルピーヌは日本においても正式に展開していますが、ディーラーが少ないことやボディカラーの選択肢が少ないことから購入に踏み切れず、しかし今回ボディカラー含むカスタムの幅が増えたことでひとつ「ネガティブ要素が払拭された」ことになります。
もし買うのであれば、アルピーヌらしい鮮やかなブルーにブラックのホイールにイエローのブレーキキャリパー、もしくは深みのあるグリーンにゴールドのホイールとブラックのブレーキキャリパーだと考えていますが、もうちょっと販売や整備に対する体制を整えてほしい、というのが正直なところでもあります。
VIA:Alpine