コンセプトモデルにかなり近い姿で登場。しかしタルボットミラーはやはり採用見送り
ポルシェがニューヨーク・モーターショーにて「911スピードスター」を発表。
これは2018年6月9日に創立70周年を迎えたポルシェが「70周年記念」として発表した911スピードスター・コンセプトの市販モデルとなります。
ベースとなるのは992ではなく991.2世代の911で、エンジンは4リッター・フラットシックス、出力は502馬力。
このエンジンそのものは911GT3(500馬力)/911GT3 RS(520馬力)と基本的に同じですが、スロットルボディが(911のレーシングカーである)GT3 Rと同様の形式に改められている、とのこと。 ※レブリミットは911GT3/GT3 RSと同じ9,000回転
「911スピードスターは軽量化に次ぐ軽量化を行った」
トランスミッションは6速マニュアルのみ、駆動輪はもちろん後輪のみ。
0-100キロ加速は3.8秒ですが、これは「MT」なのでタイム的にはやや不利なためだと思われます(PDK仕様の911GT3は3.4秒)。
なお、最高速は309km/h(PDK仕様の911GT3は318km/h)。
ポルシェによると、この911スピードスターは「エンスージアスト向けに、可能な限り、軽く作った」とのことで、フロントフード、フロントフェンダー、リアフードはカーボンファイバー製。
ブレーキはカーボンセラミック(PCCB)、エアコンは「レス(無償にて取付可能)」となり、これらによって車体重量は1,465キロを達成しています。※911GT3は1,430キロ。※911スピードスターはオープン化に伴う補強が入っているので重量が嵩んでいると思われる
エンジン同様、足回りも「911GT3」に準じたセッティングを持ち、ステアリングレシオやエンジンマウントも911GT3ど同様で、前後20インチのホイールも911GT3と同じ(ただしマットブラック仕上げ、そしてレッドのラインが入る)。
スタイリング上の特徴としてはなんといっても「低くカットされたフロントウインドウ」。
これはポルシェがこれまでに発表してきた歴代スピードスターと同様であり、車体重量を抑えるのはもちろん、重心をより低く設定可能。
トップは「布製」で、これは軽量化を標榜しているために電動ではなく「手動式」。
そしてシート後方の「コブ」、つまりスピードスターカバーもこの911スピードスターを「特別」たらしめている特徴のひとつでもありますね。
なお、911スピードスターの受注は(アメリカだと)5月7日から開始されるとのことですが、当然すでに「売り切れ」は間違いナシ。
ちなみに日本ではまだアナウンスはなく、受注も開始されていない状態ではありますが、ポルシェセンターに購入可能かどうか問い合わせたところ、「絶対に無理」という回答を受け取っています。
なお、限定台数はポルシェの創業年にちなみ、「1,948台」。
「911スピードスター・コンセプト」との相違は?
そして気になるのが「コンセプト」と市販モデルとではどう変わったのか。
こちらは「市販モデル」の911スピードスター。
こちらは911スピードスター「コンセプト」。
ざっと見ると、ホイール、フロントフード(真ん中に給油口がある)、ドアミラー(911スピードスターコンセプトでは”タルボット”)といったところ。
こちらは911スピードスター、市販モデルのリア。
スピードスターカバー中央部の処理、スピードスターカバーとリアウイングとの境界、「Speedster」のロゴカラーが変更されているようです。
こちらは911スピードスター市販モデルのインテリア。
こちらは911スピードスターコンセプト。
シートの後ろにロールバーが追加されていることがわかります。
加えて、911スピードスターに取り付けられていたウインドデフレクターが(市販モデルでは)なくなっているようですね。
ポルシェは911スピードスターの発売にあわせて限定腕時計も発売
そしてポルシェは最近の通例通り、そのスペシャルモデルに対応する腕時計も発売。
ケースバックはスケルトンを採用し、ホイールと同様の形状を持つ加飾(巻き上げ用のローターかもしれないが、重心が均等なので巻き上げができるかどうか不明。よってローターではないと思われる)が施されます。
そのフレームを見ると0000/1948の文字があるので、やはり車体同様、1,948本の限定なのでしょうね。
ダイアルはカーボン製、ストラップはおそらくレザー(レッドステッチ入り)、そしてパーフォレイト(穴あき)加工が施されています。