| 結局、クルマも人と人との関係と同じで、「相性」が大切 |
さて、早いものでポルシェ・マカンSが納車されて半年近くが経過。
その間の走行距離は約8000キロとなっていますが、ここでその印象などを述べてみたいと思います。
-
ポルシェ・マカンSの納車から3ヶ月が経過!5,000kmを走行し、ボクが現時点でマカンSに感じていること
| ようやくマカンSにも慣れ、「本当に買ってよかった」と思えるようになってきた | さて、ポルシェ・マカンS納車から3ヶ月が経過。その間にはランボルギーニ・ウラカンEVOの納車があったりと色々忙しく、 ...
続きを見る
ポルシェ・マカンSのドライブフィール
さて、まずはポルシェ・マカンSのドライブフィール。
マカンはSUVなので、そもそもドライバビリティをうんぬんするクルマではありませんが、やはり「ポルシェ」なのでそこは期待せざるを得ません。
ただ、ぼくとしてはとくにスポーツ走行をするわけではなく、「安定していて、キビキビ動けばそれでOK」だと考えています。
その観点からするとマカンSは非常に優れていて、マカンS購入時に比較検討したライバルたちと比較すると、頭一つ抜けていると考えて良さそうです。
特に評価したいのは高速走行時の高い安定性、そしてレーンチェンジを行った際の揺れの少なさと「収まり」の良さ(揺れ戻しがない)、ブレーキの効きの良さ、そしてブレーキング時の姿勢が安定していること。
もちろん、911や718ケイマン/ボクスターと比較して横方向の揺れが大きく、エンジンのセッティングも「低回転でのトルク重視」なので吹け上がりも鈍く、かつターボラグもあるものの、それは「いたしかたない部分」であり、それでもほかの(SUVセグメントの)ライバルと比較するとドライバビリティは高いレベルにあると考えています(ポルシェとして捉えると物足りないかもしれないが、SUVとして考えた場合、非常に優れている)。
なお、エンジンについては、フェイスリフトによってポルシェ製のV6ツインターボから、アウディ製のV6シングルターボ(ツインスクロール式)へと置き換えられており、ターボラグはけっこう大きいという印象で、しかし「慣れ」によるペダルコントロール、もしくはパドルシフトの使用にてカバーできる範囲です。
ポルシェ・マカンの実用性
そして次はマカンの実用性。
これはもう文句無しで、積載性だと「なんでも入るな」という印象。
さらにロードクリアランスの高さ、直径の大きなタイヤによって段差も難なくこなし(突き上げが小さいのが嬉しい)、着座位置も高いので見切りもよく、911や718ケイマンでは(その着座位置の低さによって)苦労した、駐車場での発券や支払いについてもらくらくクリア。
前後左右の見切りもよく、とくに左右斜め前には三角窓が装着され、ミラーも「ドアスキンマウント」なので死角を作ることがないのがイイ、と思います。
参考までに、かつて乗っていたレンジローバー・イヴォークだと、大きなドアミラーが左右斜め前に死角を作り、ちょうど右左折時においては、横断歩道を渡る人を「隠して」しまうことがあったのですが、マカンにおいてはそれがなく、非常に良好な視界を持っています。
今のところ「冬を越した」だけなのでヒーターの性能しかわからないものの、エアコンの効きについてもまず文句なし。
風量を大きくしなくても車内全体を暖めてくれるので非常に助かっています(夏場のエアコン稼働状況については、またそのときに触れたいと思う)。
燃費については現在平均でリッター10.3キロをマークしており、3リッターV6エンジンを積む、2トン近い4WDとしてはかなり優秀なんじゃないかと思います。
なお、アウディのように、アクセルペダルを離した際、クラッチを切ると同時にエンジン回転数までも下げるといった燃費対策を取っておらず、(アクセルオフで)クラッチは切れるようですが、エンジン回転数はやや高いままで推移しており、これはおそらく「再加速に備え、加給がかかりやすく」するための対策だと思われ、こういった”加速に備える”のはポルシェならではの部分かもしれません。
参考までに、夜間におけるライティングも非常に良好。
こういった背の高いSUVの場合、ヘッドライトが(その構造上)「手前」を照らせない場合も多く、しかしマカンSでは車両の手前も、左右も、先の方もしっかり照らすという印象です。
ポルシェの信条の一つは「ドライバーに負担をかけないこと」だといいますが、とにかくマカンSは乗っている身にとって、様々な心理的負担が小さいクルマだと感じます(こういった部分のほかにも、”まだ気づいていない”ポルシェの配慮があるかもしれない)。
ポルシェ・マカンSの気になるところ
ポルシェ・マカンSについては気になるところもチョコチョコとあって、まずはブレーキダストの多さ。
これについてはもう「宿命」と考えるよりほかなく、そしてぼくのマカンSの場合、サテン仕上げそしてダークグレーのホイールを装着しているので、まだ汚れが目立ちにくく、洗う際にもさほど傷を気にしなくても良く、そこはありがたいところですね(シルバーやグロスブラックであればもっと汚れが目立ち、洗車時の傷も気にしなくてはならなかったと思う)。
そしてインフォテイメントシステムも若干弱く、たとえばオンラインでの自動アップロードを行ってくれるのはいいのですが、すぐに「エラー」が出ること。
これについて、ポルシェセンターに相談してみると「今のところ対策はなく、更新プログラムが配布されるのを待つしかない」ようですね。
乗る都度このエラーが出るのが面倒ですが、一度画面をタップすれば元画面に戻るので、これも許容範囲内だと捉えています。
ちなみにカーナビ画面が「真っ黒になる」というトラブルが過去に2度発生していますが、再現性が無いために放置しています。
パワートレーンについても一部気になるところがあって、まずはエンジン始動直後のアイドリングが不安定なこと(ポルシェセンターによれば、問題ナシとのことなので放置)。
そして低速域ではPDKがギクシャクする場面があるものの、これも構造上の問題でありトラブルではないので対策の必要はない(というか対策できない)と考えています。
さらに「アイドリングストップ時にヒルホールドが解除されると、坂道で(エンジンが指導するまでのわずかな間に)車体が下がる」というものもありますが、これも「慣れ」もしくはアイドリングストップ解除にて対応できるので問題なし。
ただ、こういったパワートレーンや細かい挙動に関するマナーについては、レクサスやメルセデス・ベンツが優れるところで、しかしそれらは逆にマカンSの持つドライバビリティには及ばず、つまり「完璧なクルマは存在しない」ということですね。
これはもちろん、その自動車メーカーのプライオリティがどこにあるのかという問題であり、単純にクルマの優劣では語ることができない部分。
マカンにはマカンの良さがあり、レクサスNXにはレクサスNXの良さが、そしてメルセデス・ベンツGLCにはGLCの良さがあるということで、要は乗る人がそのクルマがどういった思想で作られ、どういった人をターゲットにしているのかを理解し、そして「自分に合った」クルマを選ぶことが重要なのだと思います。
ポルシェ・マカンSの全般的な満足度は?
最後にポルシェ・マカンSに対する満足度。
日常的に乗ってみた印象としては「非常に満足度が高く」、細かいところに言及してみたものの、実際には「ほぼ不満がない(気にならない)」というレベル。
おそらくは「しばらく(売らずに)乗るだろうな」と考えており、つまりは非常によくできた、そして現在のぼくが求める用途にマッチしたクルマだと認識しています。
周囲の反応も非常によく、どこへ乗っていっても不当な扱いを受けることはない上、まず「あおり運転」の対象として認定されることもないと考えるため、とにかく安心して乗れるクルマでもありますね(経験上、コンパクトカーや電気自動車に乗っているとあおられやすい)。
もし燃費や維持費に不満があればベースグレードの「マカン」、動力性能に不満があれば「マカンGTS」「マカン・ターボ」という選択肢もあり、そしてモデルごとの性格が大きく異なるのもポルシェの特徴。
たとえばほかメーカーだと、グレードの違いは「高級さの差」「パワーの差」だったりしますが、ポルシェの場合は同じ車種であってもグレードが違えば「別のクルマ」のような乗り味を実現していて、つまりポルシェは「どこをどうすれば、どうドライバーに与える印象が変わるのか」ということをよく理解しているのでしょうね(一方で、どの車種のどのグレードに乗っても、同じ印象しか受けない自動車メーカーも存在する)。
ただ、補足しておくならば、ぼくは現在ほかにランボルギーニ・ウラカンEVO RWDを所有しており、「運動性能」「スポーツ性」についてはすべてウラカンEVO RWDに求めているため、マカンSの運動性能には不満を感じていないという可能性も(むしろマカンには実用性や快適性を求めている)。
もし、所有車がマカンS一台のみであれば、もうちょっと違った印象を持つことになるのかもしれません。
ポルシェ・マカンのインプレッション動画はこちら
合わせて読みたい、ポルシェ・マカン関連投稿
-
今日のポルシェ・マカンS。近隣の人に「これいくら?」と話しかけられる。ちなみにボクは近所では「職業不明」と捉えられている
| たしかに問われると職業を答えるのは難しい | さて、今日のポルシェ・マカンS。マカンSが納車されて1ヶ月ほどが経過していますが、どうやら近所では我が家にマカンSが配備されたことが話題になっている模 ...
続きを見る
-
ポルシェ・マカンS納車後「はじめての」撮影!ポルシェのボディラインは非常に独特で「同じ表情は一瞬として存在しない」とボクは思う
| ここまで見るたびに表情が変わるクルマも珍しい | さて、ポルシェ・マカンS納車以来、はじめて撮影を行ってきたのでサクっと写真を公開したいと思います。ぼくのポルシェ・マカンSは昨年10月に納車されて ...
続きを見る
-
ポルシェ・マカンS洗車!以前にボンネット内でネズミが死んでいたことがトラウマとなり、いまでもフロントエンジン車のボンネットを開けるのにはためらいがある
| できるだけエンジンルーム内には何も侵入させないようにするのが肝心だ | さて、ポルシェ・マカンSを洗車。なんだかんだ言ってまだ気温が低く、洗車には厳しい季節ではあるものの、汚れたまま放っておくこと ...
続きを見る