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| ポルシェ、新型EV「カイエン・エレクトリック」を世界初公開へ。デジタル発表後、ドバイで一般公開 |
実車の発表はポルシェオンリーの現地イベントにて
ポルシェは、同ブランド2台目となるフル電動SUV 「カイエン・エレクトリック(Cayenne Electric)」 を2025年11月19日に世界初公開すると発表。
この発表はオンラインで行われ、ヨーロッパ時間15時(日本時間23時)から配信されますが、さらに3日後の 11月22〜23日 に開催されるドバイの「Icons of Porsche」フェスティバルにて一般向けの実車デビューが行われる予定であることもアナウンスされています。
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カイエン誕生から20年以上。SUV市場で築いてきた成功の次のフェーズへ
2002年に初代カイエンが登場して以来、ポルシェはスポーツカーのパフォーマンスをSUVへと持ち込み、大きな成功を収めてきましたが、そのカイエンの歴史へと「ついに」フルEVモデルが加わることとなり、ポルシェにとってはひとつの「節目」ということに。
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カイエン・エレクトリックの特徴
以下は現時点でわかっている新型カイエンEVの特徴で、つまりSUVの新基準となることを目指した”ブランドの新たな戦略モデル”となることは間違いなく、ここから様々なデザインそして技術が他のモデルへとフィードバックされることとなりそうです。
- 最新EVアーキテクチャを採用
- 高い動力性能
- 優れた長距離快適性
- オフロード走破性も確保
- 高効率な電動パワートレーン
- 高度なデジタル機能とコネクティビティ
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なお、カイエンシリーズはすでにガソリン車・PHEVをラインアップしており、このEVモデルがそのラインに加わる形となりますが、カイエンEVのデザインは現行カイエンと区別された「エレクトリック専用」となり、しかしマカンとは異なって「現行モデルとの併売」が続けられることが確認されています。
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世界初公開はオンラインで配信。YouTubeやLinkedInでも視聴可能
カイエン・エレクトリックのワールドプレミアは、以下で配信予定となり、11月19日の配信後はアーカイブ視聴も可能となるため、世界中のファンが新型EVの姿を確認できる状態に。
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ドバイの「Icons of Porsche」で実車デビュー。昨年は28,000人が来場
世界初公開の3日後、カイエン・エレクトリックはドバイの大規模ブランドフェス 「Icons of Porsche」 にて一般公開。
これはもはや「毎年恒例」ともなったイベントで、カイエン・エレクトリックにとって最適な“実車デビューの舞台”だとも考えてよく、世界中のファンやメディアが集まるこの場でポルシェの新世代EV SUVがどのような反響を呼ぶかが注目されます。
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なお、今回ポルシェがカイエンEVデビューの場を「中国ではなくドバイ」とした意図はちょっとわからず、というのもポルシェが現在「中国推し」、しかも中国はカイエンがもっとも売れる国の一つだから。
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しかしそれでもポルシェが中国をワールドプレミアの場に選ばなかったのは「中国市場での競争力に自身を持てなかった」からなのかもしれません。
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● Icons of Porscheとは?
- 中東最大級のポルシェイベント
- 歴代モデルの展示、アート、音楽、体験型コンテンツを展開
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補足:ポルシェのEV戦略は「マカンEV」「タイカン」に続く第三段階へ
今回のカイエン・エレクトリックの登場はポルシェが掲げる電動化戦略の中でも重要な一歩でもあり、2025年後半最大級のEVトピックの1つと言えそうです。
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ポルシェEVラインアップの変遷
- タイカン:ブランド初のEVスポーツセダン
- マカンEV:SUV市場の本命電動モデル
- カイエン・エレクトリック:フラッグシップSUVのEV化
この流れからも、ポルシェがSUV分野でも電動化を本格的に進めていることが分かりますね。
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ポルシェはEVに関する優先順位を変更し、電動版718ケイマン・ボクスターの発売を「カイエンEVの後」に。これによってポルシェのスポーツカーは一時的に「911のみ」へ
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まとめ:カイエン・エレクトリックは「ポルシェSUVの新たな基準」を提示するモデルに
カイエンは20年以上にわたりポルシェを支えてきた主力車種。そのEV版が発表されるという事実は、ブランドにとって大きな転換点となり、その発表には大きな期待がかかります。
- 最新EVアーキテクチャ採用
- SUVとしての多用途性を継承
- 性能・快適性・デジタル性を大幅強化
- 世界初公開→ドバイで実車デビューの二段構え
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