| まさかその手で来るとは |
フォルクスワーゲンが欧州連合知的財産庁(EUIPO)に対し、「e-Beetle」の商標を届け出たことが明らかに。
画像は今回の商標とは無関係に、2012年にフォルクスワーゲンが北米国際自動車ショーに出展した「e-Bugster」ですが、フォルクスワーゲンはけっこう前からビートルのEV化を考えていたということがわかります。
なお、フォルクスワーゲンは2019年末をもって(販売不振のため)ビートルの生産を終了させているものの、”ビートル”の名はフォルクスワーゲンにとって非常に重要な資産であるのもまた事実。
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よって、フォルクスワーゲン重役の口からも、これまでに何度か「ビートルをEVにて復活させる」という話が出ており、加えて今回の商標出願となれば、「ビートルのEV版」登場はほぼ確実なのかもしれません。
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フォルクスワーゲンは過去の名作をEVにてリバイバル?
ただ、今回EUIPOにて公開となったフォルクスワーゲン出願による商標を見ると、このe-Beetleのほか、なんと「e-Golf Classic」「e-Karmann」「e-Kubel」といった商標も同時に出願されており、これらについてはまさに寝耳に水状態です。
そして、これらの商標を見るに、フォルクスワーゲンは「過去の歴史的遺産」を、電気自動車として現代に蘇らせる計画を持っているとも考えられ、となるとe-Beetlenについても、未来的なスタイルを持つEVではなくレトロな外観を持った「初代ビートル」風になるのかも。
初代ゴルフもEVで復活?
そしてe-Golf Classicとは、もちろん初代ゴルフつまりゴルフIを指すものと思われます。
初代ゴルフは1974年に発表され、ジョルジエット・ジウジアーロによるデザインを持つことで知られますが、直4エンジン(当時から1.5-1.6リッター)横置きレイアウト、そのデザインについても現在のゴルフ8まで受け継がれており、まさに「不朽の名作」。
今でも多くのファンを持ち、このゴルフIがリバイバルとなると「待ってました」な人が多いのかもしれません。
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まさかまた「カルマン」の名を聞けるとは
e-Karmannとはもちろんカルマンギアを指すものと思われ、これはフォルクスワーゲン、そしてコーチビルダーのカルマン、カロッツェリア・ギアとのジョイントによって誕生したクルマ。
1955年~1973年の長きに渡って生産され(ブラジルのノックダウンを含めると1975年)、タイプ1~タイプ3までが存在します。
北米を中心にファンが多く、やはりフォルクスワーゲンの歴史を語る上で外せないモデルでもありますね。
まさかの軍用車もEV化
最後のe-kubelは「あの」キューベルワーゲンの電動版だと思われ、オリジナルのキューベルワーゲンはフェルディナント・ポルシェの設計がベースとなった軍用車。※画像は何度も作ったタミヤのキューベルワーゲンのパッケージ
ちなみに「キューベル」とは「バケット(シート)」を表すドイツ語だそうで、軍用のためにドアがなく、乗員が脱落しないようにバケットシートを装着したことに由来するのだそう。
なお、このキューベルワーゲンは広い意味で軍用車の呼称として用いられていたとされ、特定のクルマを指すわけではないようですね(それでも、一般的にはキューベルワーゲン=フォルクスワーゲン製のこのクルマだと認識されている)。
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現時点では「商標を出願しただけ」であってこれらのクルマが発売されるとは限りませんが、フォルクスワーゲンのEVはスケートボード型シャシーを持つという特性上、簡単に「上モノ」を載せ替えることができ、より多くの車種を低いコストで製造できるものと思われます。
そして今ひとつ盛り上がらない「EV市場」を盛り上げるためにも、こういった話題性のあるクルマのセレクトは”面白い試み”だと言えそうですね。
参照:VWIDTalk