「VWのビジネスクラス」、新型パサート発表。セダンを捨ててワゴンのみの展開、そのデザインは電気自動車シリーズ「ID」風に

｜　フォルクスワーゲンはエクステリアデザイン、インテリアのインターフェースを変更すると言われるが、それはもう少し先になりそうだ　｜

その意味では、この新型パサートも過渡期にあるクルマなのかもしれない

さて、フォルクスワーゲンが欧州にて9世代目となるフルモデルチェンジ版パサートを発表。

パサートは1973年の誕生以来、約3,000万台が販売されたというヒット商品でもありますが、この9代目パサートはセダンボディを捨てて「ワゴンのみ」の展開となっています。

これはいささか「驚き」の決定ではあるものの、フォルクスワーゲンはすでに北米市場からパサートを撤退させており、この新型パサートでは欧州市場に特化させ、そしてその中でもより存在感を発揮させることができるであろう「ワゴン」に集中させるという意図があるのかもしれません（北米市場ではワゴンボディの人気がなく、しかし欧州では比較的人気が高い）。

新型フォルクスワーゲン・パサートはこんなクルマ

この新型パサートは次期型ティグアン、そしてゴルフ8（フェイスリフト版）と共通の改良型足回り（MQB Evo）を採用しており、ワゴンに特化したことで全長4,917ミリ、全幅1,852ミリとやや大きくなり、全高は1,506ミリと「先代とほぼ同じ」。

ちょっと面白いのはそのデザインがVWの電気自動車シリーズ「ID」に近くなったことでイメージが一新されています。

ホイールサイズは最大19インチまでを選択でき、新開発のマトリクスLEDヘッドライトに加え、ライトバーを備えるダイナミックLEDテールランプという「お決まり」の変更内容となっているため、あまり目新しさはないものの、逆にパサートらしい落ち着きのある外観になったと捉えることも可能です。

車体のサイズアップは主にレッグルームの拡大に振り分けられていますが、ラゲッジコンパートメントの容量も拡大されており、リアシートを立てた状態では690リットル、このリアシートを畳めば容積は1,920ℓにまでサイズアップします（先代に比較して最大で140リットルも拡大している）。

エンジンラインナップにも変更があり、パサート史上初となるマイルドハイブリッドガソリンユニットが積まれ、これはFFの「1.5リッターeTSI気筒休止テクノロジー（148馬力）」「2.0 TSI（201馬力）」、「2.0 TSIと4WD（4モーション）という組み合わせを持つ261馬力」の3種類。

ディーゼルだと121馬力と148馬力のFF、190馬力の4WD（いずれも2.0 TDI）という選択肢があり、トランスミッションはガソリン / ディーゼルともに7速デュアルクラッチ・オートマチック・トランスミッションのみ。

さらには「eハイブリッド」として販売されるプラグイン・ハイブリッド・モデルもラインアップされ、ベース仕様は201馬力。上位モデルは268馬力という構成です。

いずれもエンジンは1.5リッターTSI、そしてトランスミッションは6速DSG、バッテリーパックは19.7kWh、最長で100kmを（バッテリーのみで）走行することが可能。

なお、このパサート eハイブリッドでは50kWのDC急速充電に対応していて、約25分でバッテリーを10％から80％まで充電することができ、バッテリーを充電し、ガソリンを満タン（45リットル）にしておけば、次回の給油までに約1,000キロメートルを走行できるといい、かなり効率的なパワートレーンを持つということになりそうですね。

新型フォルクスワーゲン・パサートのインテリアはこう変わった

新型パサートのインテリアもまたフォルクスワーゲンの最新世代へと移行しており、ほとんどの物理的スイッチが廃止されることとなっていて、その機能のほとんどを12.9インチのタッチスクリーンにて操作するという仕様（オプションにて15インチへサイズアップ可能）。

そしてメーターもフルデジタルとなったために先代パサートまでずっと採用されていたアナログメーターがついに姿を消し、その操作系と共に大きな進化がもたらされたということに。

さらにギアセレクターは「スイッチ」へと変更されており、これに伴ってステアリングホイール上へと移動することですっきりとしたセンターコンソールを実現し、これは最近の（VWに限らない）ひとつのトレンドでもありますね。

新型パサート生産はスロバキアのブラチスラバに移されるとのことですが、日本市場への導入については現時点ではなんらアナウンスがなく、これについては続報を待つよりなさそうです。

あわせて読みたい、フォルクスワーゲン関連投稿

参照：Volkswagen