| ひとつは812スーパーファスト・スパイダー、もうひとつはディーノとのウワサ。しかしあとひとつは? |
フェラーリが「今までと異なる」セグメントに進出する、という報道。
これは英国Autocarが報じたもので、SF90ストラダーレの英国における公開イベントにてフェラーリのマーケティング部門を司るエンリコ・ガリエッラ氏が語ったものだそう。
なお、フェラーリのラインナップはこれまで(特にここ最近)非常にわかりやすいもので、「V12モデルとV8モデル」とがあり、V12にはスポーツ(今だと812スーパーファスト)とGT(GTC4ルッソ)、V8にもスポーツ(F8トリブート)とGT(ポルトフィーノ)とが存在し、これらがモデルチェンジを続けてゆく、というイメージですね。
今後のフェラーリ・ラインナップは「予測不可能」
フェラーリは今回SF90ストラダーレを発表していますが、これは出力、価格ともに「フェラーリのフラッグシップ」。
しかしながらエンジンはV8という、これまでのフェラーリの法則に当てはまらない性格を持っており、これを機にフェラーリはその構成を大幅に見直す必要がある、と考えているようです。
そしてエンリコ・ガリエッラ氏が語るには「我々が今挑戦していることは、これまでからすると予想しがたいことだ。そして我々は現在、未来のプロダクトラインナップを再構成しているところだ。たとえば、SF90ストラダーレはこれまでの私達のラインナップには存在しない性質を持つクルマだ。これは完全に新しいクルマで、新しいテクノロジーを持つ、新しいセグメントに属するクルマだ。我々はこれを”レンジ・スーパーカー”と呼んでいるが、もちろんハイブリッドといえどもラ・フェラーリとは異なる。だが、そのパフォーマンスは完全にスーパーカーだ。そしてより広い幅(レンジ)の顧客に乗ってもらえる」。
フェラーリは計画を修正中?
なお、フェラーリはここ数年で大きくその方向性を転換中。
もちろんフェラーリ会長、セルジオ・マルキオンネ氏が死去したことも関係していると思われますが、ちょっと前に公開された「2022年まで」の計画だと、「GT」が40%、「SPORT」で50%、「ICONA」が5%、そしてスペシャルモデルが5%という構成をイメージ。
ガソリンエンジンは40%くらい、そしてハイブリッドモデルは60%くらいという計画です。
さらにフェラーリは2019年には合計で5つのニューモデルを発表するともほのめかしており、F8トリブートとSF90ストラダーレがそのうちの「2つ」。
つまりあと3台はニューモデルが登場するということになります。
そして、その3つのうちの一つは「812スーパーファスト・スパイダー(モデル名は未定)」だと思われ、これは「定番として販売するV12モデルのオープン」という新しいセグメント。
そしてエンリコ・ガリエッラ氏はさらに残る2つのうち一つは「新しいセグメントのクルマ」だとも語っており、もしかするとマクラーレン・スポーツシリーズに対抗する、2000万円台前半のスポーツカー(ディーノ?)の可能性もあるんじゃないか、と言われているようですね。
なお、マクラーレンは「フェラーリとランボルギーニがさらに高価格帯へと移行した結果」空白となった2000万円代前半に540Cや570Sを投入することで大きく販売を伸ばしていますが、フェラーリとしてもマクラーレンをこのまま見過ごすことは出来ない、と考えたのかもしれません。