| フェラーリはどのような状況であっても圧倒的な強さを見せる |
「効率性」を考慮すると、今後も単価の向上、そしてオプション価格・装着率の向上は継続して推進されるものと思われる
さて、現在多くの自動車メーカーがサプライチェーン問題に苦しめられており、顧客の要望を満たすだけの台数を生産することができない状態ですが、先日のランボルギーニに続き、フェラーリも「2022年第二四半期の売上、収益、出荷数が大幅に増加」し、税引前だと過去最高の第二四半期になったと発表。
ざっと数値を述べておくと、総出荷台数は3,455台(前年同期比28.7%増)、純売上は前年同期比24.9%増の12億9100万ユーロ、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は前年同期比 15.5%増の 4億4600万ユーロ、EBIT(利払前・税引前利益)は前年同期比17.8%増の3億2300万ユーロへと増加しています。
フェラーリCEOはこう語る
フェラーリの最高経営責任者であるベネデット・ヴィーニャ氏によれば「フェラーリは、売上高、EBITDA および EBIT において四半期ベースで過去最高を記録し、力強い成長を続けています。上半期の品質と事業の堅牢性により、すべての指標において2022年のガイダンスを上方修正することが可能です。前四半期は、75周年記念式典とカヴァルケードによってユニークな思い出が生み出されたことも特筆すべきことであり、限界に挑戦し続けるフェラーリの情熱と精神を共有するためにお客様に提供する体験が、新たなレベルに引き上げられました」とのこと。
なお、車両販売の構成としてはガソリンエンジンモデル(7車種)が83%、ハイブリッドモデル(3車種)が17%となり、もっとも販売が大きかったのはポルトフィーノMとF8系、そして296GTBの初回納入はじまったほか、812 コンペティツィオーネの生産準備が開始され、モンツァSP1およびSP2は2022年第1四半期生産が完了されたので今回はノーカウント。
地域別に見てみると、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)は4.5%増の1,397台、アメリカ大陸は62.2%増の1,053台、中国本土、香港、台湾は需要の強さに伴い2倍以上(115.7%増)の358台、その他のアジアパシフィック地域は21.4%増の647台といった具合に全地域にて販売が増加。※日本は402台
フェラーリの販売における内訳はこうなっている
そして販売の内訳を見てみると、車両とパーツは前年同期比で25.0%増加の11億ユーロ、エンジンの販売は4100万ユーロ(前年同期比-8.5%)、スポンサー、広告やライセンスビジネスでは前年同期比の29.5%増となる1億1700万ユーロ、その他の売上が前年同期比+78.4%の3300万ユーロ。
構成比で言えば車両販売が85.2%、エンジンは3.17%、スポンサーシップ等は9.1%という構成となっており、このうちエンジン販売についてはマセラティへの供給が(マセラティが自社でのエンジン製造を開始し、そのため契約解除となったため)減少傾向にあり、これはそのうちゼロとなるかもしれません。
第二四半期は(上述の通り)大きな利益を生んだモンツァSP1/SP2の納車がなく、しかしオプション装着比率が上昇したこと、モデルラインアップが最適化されたこと(おそらく単価が高くなったということだと思われる)によって売上高が上昇したとアナウンスされており、この傾向は今後も続くものと思われます。※デイトナSP3、プロサングエの納車が開始されると飛躍的に数値が伸びると考えられる
なお、「スポンサー、広告やライセンスビジネス」について、F1のスポンサーが”多様化したため”減少したといい、しかしF1でのランキングが上昇したために分配金が増えて結果的には「プラス」。
ちなみにフェラーリはライセンスビジネスを拡大し、ゆくゆくはアパレルのみで「利益の10%」を稼ぎ出したいと考えている、とも報じられています。
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参照:Ferrari