| フェラーリがこのチャンスを逃すとは思えず、理にかなった行動だと考えられる |
当然ながら「超」少量限定生産モデル、コレクター向けの車両になるのは間違いない
さて、フェラーリが大量に商標を出願しており、そこから将来の商品戦略が見えてきたとして話題に。
まず注目すべきはル・マン24時間レースにて勝利を収めたハイパーカー「499P」のロードゴーイングバージョンが発売される可能性が高いということで(商標が出願されたからといって必ずしもその名を持つクルマが発売されるわけではない)、今回499GTB、499GTS、499スペチアーレ、499スペチアーレスパイダー、そして499Pモディフィカータの名が申請されています。
実際にフェラーリ499Pのロードバージョンが発売されたらとんでもないことに
なお、フェラーリは50年ぶりにル・マン24時間レースに復帰していますが、ここで見事優勝をかざったのが499P。
「P」とはレギュラー生産シリーズではない「プロトタイプ」を意味し、一般にモータースポーツにおいては「レースのためだけに作られた」クルマを指しています。
よって、この499Pは市販車をベースとしない、(WECのほかレースにも参戦するものの)ル・マン24時間レースに参戦するためだけに作られたレーシングカーであり、当然ながら公道を走行することを全く考慮していないクルマです。
車体構造はカーボンファイバー製モノコック、そして車体剛性を高めるためにドア開口部は極端に小さく、もちろんキャビンも最小。
搭載されるエンジンはフェラーリ296GT3由来の3リッターV6ツインターボ、そしてこれにフェラーリSF90ストラダーレと同様のレイアウトを持つ3モーター式ハイブリッドシステムを備えます(エンジンとトランスミッションとの間に1つ、フロントに2つ)。
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フェラーリは本当に499Pのロードバージョンを発売する?
今回申請された商標を見ると、499GTB(クーペ)、499GTS(オープン)、499スペチアーレ(499GTB/499GTSのハードコア版だと思われる)、499Pペチアーレ・スパイダー(499GTSのハードコア版)そして499Pモディフィカータ(おそらくはサーキット走行専用モデルで、499Pに近いクルマ)となっており、499シリーズとしてかなり多くの展開を行うことがわかります。
ちなみにフェラーリは「3年で15モデルを発売」という計画を公表しているものの、おそらくこの「499ファミリー」はその15車種に含まれない計画外だと思われ、しかしル・マン24時間レースで優勝したことから急遽追加になったのだと推測。
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つまり、フェラーリとしては「ル・マン24時間レースで優勝したからには、それを活用しない手はない」と考えたのだと思われ、そしてもちろんル・マンでの勝利はそれだけの価値を持っており、これはいわば当然の展開なのかもしれません。
そしてこれには「現在の利益」に加え、将来の資産を構築するという意味もあるのだと考えられ、「ル・マンに50年ぶりに復帰して優勝したときのレーシングカーと同じコンポーネントを持つ限定モデル」を発売しておくことで、つまりこれから10年、20年と経ったときに”価値あるフェラーリ”を残しておくという意図があるものと思われます(エンツォ・フェラーリも、”未来の価値あるフェラーリは、今あなたが手にするフェラーリである”と言っている)。
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なお、「まっとうに」考えるならば、ル・マン・レーサーを公道仕様にコンバートして発売するというのは「ありえない」発想ではあるものの、フェラーリは過去に「そのままですぐにレースに出ることができる」F40、「公道を走るF1」というコンセプトを持つF50を発売しており、それらを考慮すると(ただしこれらはレーシングカーを市販車にコンバートしたものではなく、市販者としての立場から設計し、モータースポーツ由来の技術やコンポーネントが投入されている)、フェラーリだけに「本当に」やってくるかもしれませんね。※かつてトヨタが同じ発想でGRスーパースポーツを発売しようとしたことがある
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参照:CARBUZZ