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フェラーリ「2025年末までの生産枠が埋まった」。つまり今注文しても2026年以降の生産となってしまい、現在の人気を考慮するとさらに「買いにくく」なるのかも

2023/11/07

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| とにかく現代ほどモノを買いにくくなった時代はなく、早めの決断力が重視される時代もない |

逆に「情報を制し、機を制することができれば」色々なモノを買いやすい時代にあると考えていいだろう

さて、フェラーリはつい先日「業績が非常に好調である」ことについて言及していますが、今回は「2025年末までの受注残がある」ことが明らかになったと報じられています。

2025年末まで生産ラインが埋まっているということは、今注文しても2026年にならないと生産してもらえず、納車もそれ以降になるという事実を意味しますが、実際には「もっと納車が遅れる」ことになるのかもしれません。

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フェラーリの注文から納車まではこうなっている

ぼくが「実際にはもっと納車が遅れる」と考えているのはその受注プロセスにあり、というのもフェラーリ注文してすぐにオーダーが「通る」わけではないため。

ディーラーや購入実績にもよるようですが、フェラーリを注文するに際しては様々な通過儀礼のようなものがあり、まずはある程度のオプションを決めて「仮注文」を入れることになり、ここでは「審査のようなもの」があって、審査が終わるまでの待ち時間が生じます。

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そこからオプションなどを決めて正式に受注を入れることになりますが、フェラーリがこれを確認するのにも時間がかかり(ぼくの場合は特に色々と問い合わせたため、通常よりも長い時間を要している)、この確認ができたのちにようやく「生産待ちの列に並ぶ」ことができるわけですね。

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今日のフェラーリ296GTB納車待ち(420日目)。フェラーリ本社に問い合わせていたオプション2点への回答があり、ようやく生産待ちの列に並ぶことに
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つまり、注文を入れてから生産待ち状態となるまでに数ヶ月を要することになって、今注文を入れたとしても「すぐ」生産待ちとなるわけではなく、そしてその間にはどんどん(今までに注文を入れた人が)生産待ちとなってゆくため、そのぶん自分の入れた注文は後ろの方へとずれ込むものと考えられます。

ちなみにですが、ぼくの現在のステータスは「生産待ちの列に並んだとはいえど」いつ生産が行われるのかまでは確定しておらず、よって納車時期はいまだ”未定”。

注文を入れたのが2022年3月なので、現時点で1年と8ヶ月が経過しているわけですが、当初の予定では「早くて2年くらい」だと聞いているため、今の時点でもまだまだ許容範囲だと考えています。

現代はモノを購入するのが著しく難しい時代に

なお、フェラーリはコロナ禍でも全く影響を受けなかった企業のひとつであり、その理由は「100%が受注生産」ということにあると考えられます。

受注生産の強みとしては、「すでに受注がある」こと、そしてその受注分を「計画どおりに生産できる」ことで、つまりはムダなく原材料やパーツを仕入れ、淡々とそれらを使用して生産することが可能となるわけですね。

一方、受注生産ではなく「見込み生産」を行う場合、企業は「これくらい売れるだろう」という見込みのもとに製品の生産を行いますが、コロナウイルスのように想定外の事態が起きてしまうと「在庫が売れなく」なってしまい、会社は急激に資金繰りに困ってしまうことになり、これがマクラーレンとアストンマーティンが直面した課題でもあって、前者は本社を失い、後者は経営陣がそっくり入れ替わってしまうという事態に陥っています。

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ただ、こういった逆境が企業を強くすることも間違いはなく、よって(コロナ禍以降)企業は何があっても安定的に販売と利益を確保できるように動いているわけですが、それを意図して多くのハイブランドが「受注生産」へと移行しており、よって在庫を持たない場合が増えていて、これが「欲しいと思って買いに行っても手に入らない」状態を作り出しているのが現状です。

そしてフェラーリにおいてはこの状態がすでにずっと前から「常識」となっていて、それに続くランボルギーニもまた同様。

最近だとトヨタも人気モデルにおいては同様の傾向が見られ、「作れるだけ作って売れるだけ売る」というスタイルから脱却しつつあるように思われますが、腕時計業界においてもオーデマ ピゲ、パテック フィリップは同様であり、「ブティックに行ってもまったく腕時計を置いていない」ことも。

こういった現状を鑑みるに、モノを買うのが難しい時代に突入したと言ってよく、少し前までのように「製品はいつでも店頭にあって、それを買うためにお金を貯め、貯まったら買いにゆく」というスタイルを取ることができなくなり、「欲しい物があれば、すぐに注文を入れ、そこからお金を貯める」というスタンスで臨まねばならなくなったのは間違いなく、様々な人気商品は争奪戦になってしまったという状況です。

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ただ、そうやって手に入れたモノは(自分的にも、世間一般的にも)価値が高く、リセールも上げる傾向にあるため、ぼくとしては今の(ハイブランドの)販売スタイルのほうが総合的に考えて皆が満足する形式であろうとも考えています。

そして重要なのは「すぐに動かねば欲しいものは手に入らない」ということで、「どうしよっかなー」とか「お金が溜まったら買う」とか考えていると、購入のチャンスを逃してしまい、いつまで経っても入手できないということとなり、よって現代ほど行動力と決断力が要求される時代はないかもしれません。

さらには「先に情報を手に入れ、先に動いた者こそが勝者となる」のが現代であり、モノを買うにも一定の労力を要する時代に突入しています。

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参照:Automotive News Europe

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