| フェラーリのワンオフモデルが売りに出されることは非常に稀である |
「いわくつき」ではあるものの、こういった機会でないと入手は困難である
さて、フェラーリは上位顧客50人を対象としてワンオフモデルの製作を請け負っているとされ、これまでにも様々な「その顧客限定スペック」を持つ個体が公開されています(直近だと台湾のVIP顧客向けに製作されたSP-8)。
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そして今回、そのワンオフモデルのうちの1台「SP30 アリア」がアメリカのエキゾチックカーディーラー、クラシック・モーターズにて価格”ASK”にて中古車として売りに出されて話題となっていますが、このフェラーリSP30アリアは2018年9月、2019年1月、2020年10月にも売りに出されたことがあり、今回で(わかっている範囲では)4回目の売出しということに。※3回目以降の販売につき、購入した人が転売しているのか、それとも売れないまま販売元を変えているのかはわからない
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希少なフェラーリといえど必ずしも売れるワケではない?ワンオフモデル「SP30」が売れずに3たび中古市場に登場
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フェラーリSP30アリアはインドの富豪のために製造される
このフェラーリSP30アリアは、インド出身の石油化学業界の大物、チアラグ・アリヤ氏のため、2011年に500GTOをベースとして製作された後に2012年に納車が行われており、しかし2017年には5億4,450万ドルもの借金を背負って(当時居住していた)ドバイから逃亡したことが報じられています。
その後(上述の通り)2018年に売りに出され、その際にはドバイのコレクターによって購入され、その1 年後にはオークションハウスであるRMサザビーズが主催する競売に登場し、その後はクレーヴ・ラグジュアリー・オートでの販売、そして今回の販売と相成っているわけですが、現時点での走行距離はわずか119マイル(191キロ)なので文字どおりの新車状態だということに。
全体的に599GTOの面影を色濃く残していますが、いくぶんボディ表面が滑らかになり、グリルやスプリッターとの連続性が増している他、812コンペティツォーネにて取り入れられた(フロントフード上の)ブレードが用いられているのは興味深いところ。
フェラーリのワンオフモデルのデザインが後の市販車に「転用」されることは珍しくない
リアだと4本出しテールパイプが目を引くところですが、フローティングマウントされたプランシングホース(跳ね馬」がなんともユニークです。
なお、リアディフューザー左右上部の形状はSF90ストラダーレ / SF90スパイダーにもよく似ていて、このフェラーリSP30 アリアにつき、ちょうどこの頃にフェラーリに加入したデザイナー、フラビオ・マンゾーニ氏がなんらかの形で関わっていた可能性が高そうですね。
ちなみにフロントフェンダーのサイドも「ポルトフィーノ」っぽく、こういった例を見てもわかるように、フェラーリのワンオフモデルで取り入れられたデザイン的要素が後の市販モデルに採用する例は少なくはなく、よってフェラーリのワンオフモデルにはいろいろな意味で「注目すべき存在」だと考えています。
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このフェラーリSP30 アリアのボディカラーはロッソ・フオッコ(Rosso Fuoco)、インテリアカラーはグレー(アルカンターラ)。
販売に際しては専用のラゲッジセット、そしてフェラーリがアマルガムに特注したスケールモデルが付属する、とのこと。
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参照:The Supercar Blog, Classic Motors