| さらにフェラーリはV12エンジンが純粋であることの必要性、そして禁止されるまでV12エンジンを作り続けることに言及 |
フェラーリのエンジン、そして車両開発に関しては明確な「定義」がなされ、守られている
さて、フェラーリは現在ランボルギーニ、アストンマーティン、ロールス・ロイス、パガーニらとともにV12エンジンを存続させている数少ない自動車メーカーではありますが、今回同社のグローバルマーケティングディレクター、エマヌエーレ・カランド氏がオーストラリアのカーメディアに対し「フェラーリは、法的に可能な限りV12エンジンの製造を続ける」という力強い発言を行ったと報じられています。
法律で許可されなくなるまで、自然吸気V12エンジンの製造を続けるでしょう。今後も法律で機会が示され、より持続可能な新しいガソリンの開発が進むことを期待していますが、現在も、そしておそらく将来も、このエンジンを愛する顧客に提供することが大切だと考えています。
「自然吸気、ノンハイブリッド」はメジャーメーカーではフェラーリのみである
なお、上述の「V12エンジン採用メーカー」はいずれもV12エンジンをハイブリッド化あるいはターボ化していて、「自然吸気、ノンハイブリッド」のまま車両に搭載しているのはフェラーリのみ。
最新のV12モデルである12チリンドリに積まれるF140HD型6.5リッターV12エンジンのルーツはエンツォフェラーリ(F140B型)にまで遡ることができますが、このV12エンジンはパワーを犠牲にすることなく、厳しくなる一方の欧州の排出ガス規制を遵守するために改良されています。※エンツォフェラーリでは6リッター/660馬力であったが、いまや830馬力を発生している
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そして今回、このF140HD型V12エンジンに関わるいくつかの秘密が明かされており、まず1つ目は「なぜハイブリッド化しなかったのか」。
これに関する答えは明白で、エマヌエーレ・カランド氏によれば「私たちは、ルーツに忠実でありたかったのです」。
つまりフェラーリはV12エンジンを可能な限り純粋な状態に保ちたく、そのためにハイブリッドという選択肢を排除したのだそう。
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さらに同氏は「私たちの考えでは、電気部品(ハイブリッドシステム)を組み合わせた自然吸気エンジンは、特にこの種のクルマの場合、パフォーマンスをそれほど向上させずに重量を増やすだけです」とコメントしています。
実際のところ、先日carwowが公開した「ハイエンドSUV」の加速対決動画においても、ターボやハイブリッドシステムを取り付けたV12/V8エンジン搭載モデルに対してフェラーリ・プロサングエは「一番時計」を刻んでおり、これは自然吸気V12エンジンの持つピュアさゆえなのかもしれません。
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12チリンドリのV12エンジンは10,000回転を許容する
そして2つ目の秘密が「12チリンドリに積まれるV12エンジンの許容回転数が意図的に9,500回転に抑えられていること」。
このF140HDは9,250回転にて最高出力である830馬力を発生しますが、フェラーリのパワートレインプロジェクトリーダー、ルッジェーロ・チェヴォラーニ氏によるとパワー伝達効率とフィーリングを重視し9,500回転に制限したとのことですが、このエンジンは本来10,000回転まで回すことが可能なのだそう。
技術的に言えば、このエンジンは10,000rpmまで回転できます。チタン製コンロッド、特にスライド フィンガー・カムフォロワーを備えたバルブトレインなど、多くの軽量コンポーネントを導入したため、10,000rpm まで回転できる可能性が開かれました。しかし、エンジン回転数、パワー、トルク形状の間にはトレードオフがあるため、回転数リミッターを高く設定すると、最高速度でのエンジンの全体的なパワーがわずかに犠牲になり、一定の加速感もそれに応じて低下することになります。
当社はマーケティングのために何かをすることはありません。当社はエンジニアリング会社です。たとえ”1万回転”という基準が素晴らしいものであったとして、それを達成し宣伝に使用することで何かが犠牲になるとすれば、それは当社の使命である、”パフォーマンスとドライビングのスリルを第一に考える”という姿勢に反します。デザインについて話すとき、いつも「デザインは機能に従う」と言いますが、それはエンジンでも同じなのでです。
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参照:Car Expert