| フェラーリの「1台あたり利益」は大幅に上昇、デイトナSP3や499Pモデイフィカータの販売が利益を押し上げる |
さらには1台あたりのオプション装着金額の向上もフェラーリの好調な決算を支えることに
さて、フェラーリが2024年第2四半期および上半期の暫定決算を発表。
これによると、2024年第2四半期の出荷台数は合計3,484台で、これは前年比2.7%増という数字となり、地域別だとEMEA(ヨーロッパ / 中東 / アフリカ)はほぼ横ばい、アメリカは112台増、中国本土、香港、台湾は61台減、その他のアジア太平洋地域は24台増だと発表されています。
「2024年第2四半期の優れた財務結果を発表できることを嬉しく思います。これは、再び強力な実行力と継続的な成長を示しています。当社の純収益と収益性は、製品ミックスの充実とパーソナライゼーションの需要増加により2桁増加し、2024年のガイダンスを上方修正しました。この四半期は、当社の新しいeビルディングの開設、ステークホルダーとの持続可能なイノベーションに特化したイベントの1週間、そしてル・マン24時間レースでの新たな勝利によって特徴づけられました」
フェラーリCEO ベネデット・ヴィーニャ
フェラーリの2024年第2四半期の結果はこうなっている
そこで今回の決算発表の詳細を見てゆくと、出荷台数を牽引したのはプロサングエ、ローマ・スパイダー、296GTSの3モデルで、ローマと812コンペティツォーネは生産が終了に近づいたために台数が減少し、SF90ストラダーレと812GTSは「段階的に廃止」。※SF90スパイダーと296GTBについては言及されていない
パワートレーン別構成だと内燃機関(のみ)搭載モデルは8車種で52%、ハイブリッドモデルは4車種で48%となっています。※前四半期ではハイブリッド比率が51%だった
2024年第2四半期の純収益は17億1,200万ユーロで、為替変動の影響を除くと16.2%増(販売台数の増加よりも大きい)、車両およびスペアパーツの収益は製品および国別構成の充実、パーソナライゼーションの強化、販売量の増加により、14億7,400万ユーロ(為替変動の影響を除いたベースで17.1%増)という数字に(つまりオプション装着やテーラーメイドの利用金額が増加したものと考えられる。かねてよりフェラーリは台数を増やすことなく利益を増加させるという意向を示しており、まさしくその通りになった)。
スポンサーシップ、コマーシャル、ブランドライセンスによる収益は、新たなスポンサーシップおよびライフスタイル活動によって1億6,800万ユーロに達し、為替変動の影響を除いたベースでは13.8%増。
その他の収益は金融サービス活動からの収益増加によりほぼ横ばいで、しかしこの収益草加分は2023年に期限切れとなったマセラティとのエンジン供給契約消失による利益減少によって相殺されたと説明されています。
参考までに、2024年上半期だと出荷台数は7,044台にのぼり、2023年の最初の6か月と比較して1%増加という数字にとどまりますが、フェラーリは2026年までの受注を確保しているともコメントしており、この先も「安泰」ということになりそうですね。
なお、812シリーズが生産終了になったとしても後継モデルとして12チリンドリが存在するので問題はなく、しかしローマとSF90ストラダーレについては「後継モデルの発表がない状態」での生産終了となり、そしてすでに生産が終了したF8トリブート / F8スパイダーも同様です(つまり注文できるV8モデルがもうほとんど存在しない)。
そうなるとフェラーリは一時的にラインアップが減ってしまうことにもなりかねませんが、これは「生産量台数の20%を上限とする」プロサングエによってカバーされるのかもしれません。
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参照:Ferrari