
Image:GlasWerks DMV
| フェラーリGTC4ルッソが“ラリースペシャル”に変身 |
ベース車両の価格が「(フェラーリにしては)高くないだけに」アリかもしれない
アメリカ・ラスベガスで開催中のSEMAショー2025に”また一台”とんでもないクルマが登場。
その名は「グラスワークスDMV・エレヴァート(GlasWerks DMV Elevato)」で、フェラーリGTC4ルッソをベースにした世界初のV12イタリアン・オフローダーを名乗るモデルです。
グラスワークスDMVによれば、このエレヴァートは「ラグジュアリーと過激さを両立したオフロード仕様フェラーリ」。
価格はおよそ17万5000ドル(約2700万円)+ドナー車という、今どきではかなり現実的(?)なレンジに設定されています。
Image:GlasWerks DMV
サスペンション、CVジョイント、クリアランスすべてを強化
エレヴァートは見た目の通り、フェラーリGTC4ルッソをベースに完全なオフローダーへとコンバート。
アルミ削り出しのサスペンションアーム、強化CVジョイント、そして純正比2倍の最低地上高を備えます。
さらに20cmのホイールトラベルを確保しており、オンボードエアシステムによって走行中にタイヤ空気圧を調整可能という本格派ぶりも。
なお、全体の約30%の部品が新設計となっているそうで、単なるリフトアップフェラーリではないことがわかります。
GlasWerks DMV
V12を750馬力まで強化、4WDを介して大地を蹴る
ボンネット下にはGTC4ルッソ純正の6.3リッターV型12気筒エンジンが鎮座していますが、グラスワークスDMVの手によって最高出力750馬力にまで引き上げられ、フェラーリ純正トランスミッションを介して4輪を駆動。
同社によれば、このパワートレインは「耐久レースレベルの連続負荷にも耐える」設計になっているとのことで、つまり、見た目だけの“なんちゃってオフローダー”ではなく、本当に「悪路を」走れるフェラーリというわけですね。
顧客ごとにスプリング、排気、ルーフラックまでオーダー可能
エレヴァートの魅力はパフォーマンスだけではなく、購入者はスプリングレート、エキゾーストモジュール、ラリー用補助灯、ルーフラック、STEK製ペイントプロテクションフィルムなどを自由に選択可能。
まさに“究極のカスタム・フェラーリ”と呼べる仕様です。
GlasWerks DMV
「ランボルギーニLM002を忘れた?」とのツッコミも
グラスワークスDMVはこのクルマを「世界初のV12イタリアン・ラグジュアリー・オフローダー」と称していますが――
このキャッチコピーには思わず「ランボルギーニLM002を忘れたのか?」とツッコミを入れたくなるところ。
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LM002は1980年代に登場した“ランボ・ランボ”として知られる伝説的SUVで、カウンタック由来のV12を搭載し、4人乗りのオフロードモンスターとして君臨しており、現在の「ラグジュアリーSUV」の元祖ともいえる存在。
つまり、“V12イタリアン・ラグジュアリー・オフローダー”の元祖はランボルギーニとして捉えるのが一般的です。
“フェラーリ・ダカール”として見れば最高にクール
それでも、このエレヴァートが唯一無二の存在であることに変わりはなく、現実的にフェラーリGTC4ルッソをベースにした“ダカール仕様”はこれまでに「存在せず」。
かつグラスワークス DMVが提供する「エレヴァート」の完成度は高く、デザイン的にも見事にバランスしています。※もしグラスワークスDMVが「最も過激なダカール風スーパーカー」とだけ主張していたなら、誰も異論はなかったであろう
価格は約2700万円+ドナー車。夢を買うには悪くない?
上述の通り、エレヴァートの価格はおよそ17万5000ドル(約2700万円)、ただしフェラーリGTC4ルッソ本体(ドナー車)が別途必要に。
グラスワークスDMVはこれまでにも、ポルシェ911やレンジローバーなどのカスタムを手掛けており、今回のフェラーリ・オフローダーはその集大成とも言える一作で、もしかすると「けっこうな人気を」博することとなるのかもしれません。
【まとめ】“公道も砂漠も走るフェラーリ”というロマン
フェラーリのエンジンを積んだオフロードカーという発想は、常識的には「あり得ない」もの。
しかし、グラスワークスDMVはそのタブーを破ってダカール×マラネロという新しいジャンルを生み出しており、たとえ“世界初”の称号が少々誇張気味であっても――
エレヴァートは、確実にSEMA 2025の主役級の一台であると評価されています。















