| 状況次第ではさらに”伸びる”可能性もありそうだ |
さて、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。
自動車業界とてその影響を免れることはできず、中国製パーツの依存度が高かったヒュンダイはかなり早い段階から生産に問題が生じていますね。
その他だとFCA、GM、フォードが一部社員を対象に自宅勤務に切り替えたほか、今回ランボルギーニも3月13日から25日まで工場を一時閉鎖する、と発表。
これはイタリア政府の方針に沿った対応を行ったということになりますが、つまりは二週間ほど生産がストップするということになり、ぼくが注文しているウラカンEVO RWDも影響を受けることになりそうです(該当期間に生産する予定であったわけではないが、休止期間ぶんだけ生産が後ろ倒しになるので)。
今回の工場稼働一時休止について、ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏は「今回の決定にいついては、世界中にて拡大するコロナウイルスの驚異に備え、また非常事態を迎えたイタリアの譲許を鑑み、社会に対する責任を果たすとともに我々の従業員を保護するためのものである」とコメント。
さらには「状況を見ながらフレキシブルに対応してゆく」とも述べていて、つまり「状況次第」ではさらに稼働休止期間が伸びる可能性もありそうです。
今後、ランボルギーニや高級車市場にはどういった影響が?
そこで気になるのが、「今後」の影響。
「数週間、工場の生産をストップ」することによって年間生産台数はそのぶん減ることになりますが、それだけにとどまらないのは明白で、当然ながら将来的な需要の減退も予想されます。
これから購入しようと考えていた人が発注を見送るといったほか、すでに注文していたクルマが「キャンセル」されることも十分にありそう。
ランボルギーニやフェラーリ、マクラーレン等は基本的に受注生産なので、注文を受けた分だけを作ることになりますが、幸いなのは「キャンセルを受けても、そのぶんのキャンセル料を取れること(それを原資に、キャンセル車両を値引き販売できる)」と「見込みで作っていた余剰在庫がない(在庫負担が少ないので資金繰りに影響が出にくい)」こと。
今後はキャンセルを受けた生産済み車両が「余剰化」する可能性もありますが、ランボルギーニやフェラーリを注文する人の多くは「ギリギリ」のところでクルマを購入しているわけではなく、余裕をもって購入していると思われるので、もしかするとキャンセルの影響は限定的なのかもしれません。
ちなみに下のグラフはランボルギーニの年間販売台数をまとめたものですが、リーマンショックの発生した2008年以降、回復に転じるまでに2年間ほど要していることがわかります。
ただ、今回のコロナショックについては、リーマンショックのような「先行き不透明感」はなく、感染拡大を封じ込めできたり、ワクチンが開発されたり、終息宣言が発せられると不安は霧散することになって、そこからちょっとすると「そういえば、一時期そんなことで騒いでたな・・・」ということにもなりそう。
よって、現在はかなりつらい状況であるのは間違いないものの、先行きはそう暗くないのかもしれません。
参考までに、リーマンショックの際は受注済みフェラーリのキャンセルが大量に出てしまい、通常であれば「納車まで二年ほど待つ」ものの、当時は在庫車をすぐに買える状況であったことを思い出します。
VIA:Lamborghini