| 中国では他の国と全く異なる展開が求められ、とにかく目先を変えた「多品種小ロット」展開が要求されるようだ |
厳しい中国国内での競争を勝ち抜くにはそれしかないのかも
さて、ホンダが中国にて「Z世代の若者をターゲット」として設立した新ブランド、「Lingxi(読みはリンシー、漢字表記は霊悉)」より第一弾となるEV「L」を発表。
このリンシーはホンダの中国におけるパートナーとのひとつ、中国東風汽車との合弁企業(東風本田)から誕生したブランドで、すでに発表された「E:NS2」「E:NP2」とはまた異なるシリーズです。
ただし、今回中国工業情報化部(MIIT)に届け出られた内容を見るに、ボディサイズやホイールベースが「E:NS2」「E:NP2」に近く(全幅1,840ミリ、全高1,570ミリ、ホイールベース2,735ミリ)、よってこれらをベースにして「装備を見直し価格を抑え、見栄えを若者向けに調整した」のがこの「L」だと考えていいのかもしれません。
東風本田 Lingxi LはこんなEV
そこで今回発表されたリンシーLを見てみると、昨年10月のブランド立ち上げ時に公開されたイラスト「ほぼそのまんま」のルックスを持っており”面”を強く意識したデザインが最大の特徴。
現在多くの中国製EVが「ツルッとした」丸いデザインを採用する中において異彩を放ちそうなデザインではありますが、ホンダはこれをもって他EVとの差別化を行おうということなのかもしれません。
なお、現時点ではバッテリーパックと一回の満充電あたり航続距離については未登録ではあるものの、215馬力のエレクトリックモーターを搭載し、車体重量が1,702kgというところまでは公開されており、これらの数字を見てもやはり「E:NS2」「E:NP2」と同一の車体を使用しているのだとも考えられます。
加えて、届け出られた書類によるとLiDARが装備されている事がわかり、つまり高いレベルの自動運転を装備するか、もしくは将来的に対応するのだと考えてよく、ドアミラーのかわりにはカメラが装着されており、やはり「若者がターゲット」というだけあって様々なテクノロジーが盛り込まれることになりそうですね。
参考までに、このリンシーは東風ホンダの20周年記念のひとつとして、新しい時代への飛躍を意図して立ち上げられたNEV(新エネルギー車)ブランドですが、東風ホンダの副社長、Pan Jianxin氏によれば「Lingxiは、ユーザーの期待を超え、楽しく新しいスマートドライビング体験を継続的に提供することを目指している」。
加えて「”あなたと触れ合い、人生の喜びを活性化する”というブランドビジョンを実践し、積極的な展開を行ってゆく」とも。
装着されるエンブレムは「飛翔する鳥」をイメージしたもので、これはもちろん同ブランドの飛躍を視覚的に示したものだと思われます。
参考までにですが、中国の自動車メーカーは「サブブランドを乱発する」傾向にあり、つまり一つの自動車メーカーがいろいろな(ターゲットを変えた)ブランドを複数設定し、しかしベースとする車両は皆同じ、という例も。
なぜ中国ではこういったビジネススタイルが流行しているのかはわかりませんが、一部アナリストはこれについて「全く無意味である」と評する場合もあるようですね。
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参照:CARSCOOPS