| 初代ロードスターは未来になっても「ずっと走っていてほしい」クルマの一台 |
マツダが北米でも初代(NA)ロードスターのレストアサービスを開始する可能性がある、との報道。
現在マツダ北米の社長は(2017年に、20年ぶりに日本人社長となった)毛籠勝弘氏ですが、「”人馬一体(英語ではhorse and rider asn oneというらしい)”はマツダ・ロードスター初代からの一貫した思想であり、文化である。そして我々は、その初代ロードスターが路上や、サーキットを走ることを支えてゆきたい」とコメント。
すでにマツダは日本において初代ロードスターのレストアプログラムを開始し、先日は「4台目」のレストア済み車両が公開されたところ。
北米はロードスターがデビューした地でもあり(1989年のシカゴ・オートショー)、またロードスターの人気が非常に高く、実際にこのプログラムが運用されれば大きな人気を呼びそうです。
マツダ・ロードスターは「文化」
マツダ・ロードスターは今年4月に「累計販売100万台」を記録した人気シリーズで、日本国内に限っては、マツダいわく「NAロードスターの19.2%が現役で路上を走っている」としており、パーツ供給やレストア開始によってこの数字が多少なりとも引き上げられることになりそう。
なお、国内にて初代ロードスターのレストアを開始する際にも「ロードスターは文化」だとコメントしていて、これは今回北米で出されたステートメントと同様であり、マツダが全社あげて初代ロードスター保存に取り組むことになるのは間違いなさそうです(42ページにわたる、NAロードスターの最新パーツリストも公開)。
さらに、ドイツのマツダ法人も「初代ロードスター」で記録に挑戦するなど、世界的にNAロードスターの支持率は高く、今後は欧州にまでこの「復刻プロジェクト」が拡大されるかもしれませんね。
レストアにかかる費用は非常に高額
ただ、レストアについては大きな壁があり、それは「費用」。
車両診断と樹脂パーツ小物類、ランプ類を交換して全塗装を行うという「基本メニュー」で価格は2,547,000円~、内装張り替えは713,000円~、エンジン含むドライブトレーンのオーバーホール/交換は815,000円~、サスペンション交換は408,000円~、エアコンのリビルトは255,000円~、復刻アルミホイールとタイヤは204,000円~といった感じで非常に高額です。
パーツそのものを少量にて生産するということ自体が「コスト高」に繋がりますが、レストア作業は「パーツを外して、状態を確認し、使えるものはきれいにして再利用し、そうでないものは入れ替え、無いパーツは製造し、再度組み上げる」という工程が必要。
つまり相当な時間がかかるということになりますね。
現在、マツダ北米においてはロードスター(MX-5)オーナーズクラブと共同にて、どういったパーツが必要なのか、そして提携できるショップともレストアの可能性やプロセスを協議しているといいますが、もともとレストアビジネスが盛んな北米だけに、動き出せば「一気に」このプロジェクトが進められることになりそうです。
なお、日本におけるロードスターのレストアの流れはこんな感じ。
「審査」の段階で改造車や、ノーマルでも「穴が空いている」など程度の良くない個体はレストアを受け付けてもらえず、そこは注意が必要なところ。
2044年の未来を舞台にした映画「ルーパー(2012)」には、初代ロードスターをピカピカにして乗る主人公(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)が登場しますが、たしかにマツダ・ロードスターは「永遠に存在していてほしい」クルマのひとつでもありますね。