| ただしどうやってロードスター最大の美点である軽量性を維持するのかは模索中 |
重量をカバーするための「ハイパワー」化だけは絶対にない
さて、オーストラリアのカーメディアによると、「(フルモデルチェンジ版)新型マツダ・ロードスターは2026年に登場する可能性がある」とのこと。
これはマツダ要人へのインタビューから明らかになったものだとされ、報道によれば、「新型ロードスターは、先週マツダが突如公開したコンセプトカー”ビジョンスタディ”からインスピレーションを受けたものになりそうだ」「何らかの形で電動化されるだろう」とのこと。
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さらにマツダの重役も新型ロードスターについて言及
さらにはマツダの常務執行役員 欧州事業担当、ブランド推進統括補佐、マツダモーターヨーロッパGmbH 社長兼CEOという肩書を持つ青山裕大氏は「MX-5はマツダの商品ラインアップのアイコンであり、現在世界中に広がるMX-5オーナーとの約束もあるので、今後もMX-5を継続する」と明言しており、新型ロードスターについては何らかのプロジェクトが進行していると考えてよく、こも力強い発言はスポーツカーファンにとっては嬉しい限りですね。
ただ、同氏は、新型MX-5の発売時期が2025年7月から施行されるユーロ7の排ガス規制と重なる可能性が高いことについても触れており、「先日発表された、欧州のステージ7に関する新しい法律の施行が大きなキーとなってきます。ステージ7の内容についてはまだ調査中ですが、我々のロードスターにも影響があるはずです」とも。
このユーロ7については、ざっと見る限り、「プラグインハイブリッド化しなければ乗り切れないほど」の厳しい内容となっていて、ガソリンエンジン単体やマイルドハイブリッドではどうやっても達成できない基準を掲げているようにも見受けられます。
マツダ・ロードスター最大の特徴は軽量性にある
それを考慮すると、新型ロードスターはPHEV化されるという予測ができるものの、ロードスターの最大の特徴は”軽量化の哲学(現行ロードスターの車体重量は1,000kg前後)”であり、青山裕大氏もこれについては「いかに重量を抑えるかを課題として捉えており、将来的には電動化も視野に入れ、ファンの期待を裏切らない最適な戦略を検討する必要があります」とも述べており、現在様々な解決策を模索しているのかもしれませんね。
なお、マツダのチーフデザイナー、玉谷聡氏は次期ロードスターについて、なんらかの形でエレクトリック化されるであろうことに言及し、しかし「そのパワートレーンがどういったものになるのかはわからない」と述べ、これについては何らかの情報を伏せているのではなく、本当に現時点では何も確定情報がないもよう。
実際のところ「次世代ロードスターでは、電動化も視野に入れなければならないかもしれませんが、そうなったとしてもクルマはもちろん軽量でなければなりませんし、ロードスターらしさも必要です。その両方を満たすにはどうしたらいいのか?そのあたりはよく研究してみないとわからないので、まだ明確な答えは出ていません」と述べ、さらにヴィジョン・スタディについては「あくまでイメージとして捉えてください。それは我々からのメッセージ なのです。そういうクルマをつくりたいという情熱がある、それが私たちの伝えたい大切なことなのです。しかし、そのメッセージを内包した市販車を作るかどうか?まだ本当に決めていないんです」。
つまりはまだまだ暗中模索ではあるものの、玉谷聡氏が唯一「否定」した可能性は大排気量エンジンを積むことはない、という事実。
カーメディアの「CX-60に搭載される新型3.3リッター直6エンジンを搭載し、マイルドハイブリッドシステムを積んではどうだろう?」という質問に対し、同氏は笑顔とともに、「そんなエンジンを積んだら、もうMX-5ではなくなってしまいますよ。"ハイパワースポーツカー"?そういったクルマが作れたらいいですね」と答えています。
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参照:Which Car