| 韓国勢の躍進は著しい。フォードがさじを投げるのも無理はない |
JDパワーが「販売価格帯別、オーナーの満足度の高いクルマBest5」を公開。
これを見ると意外な結果が出ていて、公開された20台のうち多くがなんとセダンとなり、SUVが数台しかランクインしていない、という状況です。
アメリカでは現在「SUV人気まっさかり」ですが、満足度に関してはセダンのほうが「上」ということが明白となっていて、こういった統計を見ると、一部アナリストやメーカーが「セダンの復権」を唱えるのも理解できますね。
満足度の高いクルマのランキングはこうなっている
上述のとおりセダンの支持もいまだ厚いことを示す結果ですが、JDパワーでは「セダンの方がSUVよりも一般的に品質が高い」ことをその理由としても挙げています。
アメリカ人は静かで乗り心地がよく高級なクルマを好む傾向にあるので、「同じ価格帯で」比較すると、その中ではSUVよりもセダンの方が高い満足度を感じることになるのかもしれませんね。
150,000ドル~19,999ドル
この価格帯だとSUVは少なく、もともとコンパクトカーのみの争いとなりそうですが、ヒュンダイの強さが圧倒的。
もはやトヨタ、ホンダ、マツダ、日産など日本の自動車メーカーが(価格的にも)勝てないということを示しており、日本のメーカーが上位移行を考えているのも納得。
なお、日本の自動車メーカーが韓国勢に食われているように、次は韓国勢が中国の自動車メーカーに「食われる」ことになるのかもしれません。※数値は100点満点中、獲得した点数
2.キア・リオ・・・79
3.ヒュンダイ・エラントラ・・・77
4.キア・フォルテ・・・76
5.シボレー・ソニック・・・75
20,000ドル~32,999ドル
この価格帯でのトップはミニ・クロスオーバー。
ミニはアメリカでの品質調査だと「かなり下位」に沈んでいる状態が続いていたので、この結果はちょっと意外でもありますね。
そしてトヨタ、日産が顔を出すことになりますが、国産車にとっての主戦場が上の価格帯となっていることを意味しているのかもしれません。
2.トヨタ・カローラ・・・83
3.日産アルティマ・・・83
4.シボレー・インパラ・・・83
5.シボレー・クルーズ・・・82
33,000ドル~44,999ドル
このあたりから「プレミアムカー」に入ってきますが、日産(インフィニティ)、トヨタ(レクサス)が強みを見せています。
なお、1~4までは「同点」で、その中に割って入っているのが「リンカーン」。
もともとリンカーンは「リンカーン大統領が乗るような」高級なクルマをというコンセプトで開発されているので、この結果も納得といえば納得。
2.リンカーンMKC・・・87
3.レクサスES・・・87
4.レクサスIS・・・87
5.アウディA5クーペ・・・86
45,000ドル~65,000ドル
ここは完全に「プレミアムカー」のゾーンで、たっぷりお金をかけてクルマが作られているためか、満足度も「高め」。
レクサスRXやメルセデス・ベンツGLCがランクインしていますが、ジェネシス(ヒュンダイ)、そしてリンカーンもランクインしていますが、リンカーンは独自の世界観を持つクルマで、そこが高く評価されているのかもしれません。
ちなみにリンカーンは中国でも大人気、と報道されていますね。
2.レクサスRX・・・91
3.レクサスGS・・・90
4.ジェネシスG80・・・90
5.メルセデス・ベンツGLC・・・89
セダンの復活はあるのか?
なお、セダン復権を唱えるメーカーの筆頭はトヨタ。
これは「カムリ」が米国で圧倒的な強さを誇るためでもありますが、そういった背景もあって「セダンがトヨタを支える」という意識が強いようですね。
そしてスバルも「セダン」支持派。
原油が高くなると、燃費がセダンに比べて劣るSUVがあまり売れなくなり、セダンの復権がありうる、としています。
一方で地元アメリカの自動車メーカー、フォードは「もうセダンは無理」派。
なんとセダンから撤退を決め、SUVとトラックにフォーカスする姿勢を示していますね。
ただ、セダン撤退後にセダンの人気が(ちょっとだけ)出たり、日本からの撤退後に日本でアメ車が(やはりちょっとだけ)売れだしたり、とフォードの判断はなにかと「裏目」に出るようです。
VIA:JD POWER