| 踏ん張ったトヨタ、ホンダには春が来た |
現在アメリカを始めとする自動車市場においては「SUVでないと売れない」と言われて久しい状態。
よってフォードはアメリカ市場で「セダンとコンパクトカー」市場から撤退してSUVとトラックに集中する戦略を採用し、GMもそれに続いている、というのが現状です。
つまり「セダンはオワコン」ということになりますが、最近の調査だと、どうやら「セダンが復権している」模様。
なぜ?セダンがミレニアルズに支持される
今回、ミレニアルズ含むアメリカの若い層を対象に QuoteWizardが調査を行った結果を発表していますが、これは「自動車保険見積もりを行ったのはどの車種がもっとも多かったか」というもので、その内容を見ると上位にはなんとセダンが並びます。
これを見ると、SUVはフォードF-150、ジープ・グランドチェロキーのみ、そしてあとはコンパクトカーであるフォード・フォーカスを除くと「全部セダン」。※シビックとカローラはセダン以外のボディ形状がカウントされているかも
1.ホンダ・アコード 2.日産アルティマ 3.ホンダ・シビック 4.トヨタ・カムリ 5.ヒュンダイ・ソナタ 6.シボレー・インパラ 7.フォードF-150 8.トヨタ・カローラ 9.フォード・フォーカス 10.ジープ・グランドチェロキー |
この現象については説明がつきませんが、考えられるとすればSUVが供給過剰となり飽きられてきたこと、ミレニアルズは自動車にさほど価値を見出さないのでコストパフォーマンスの高いセダンを選んでいるであろうこと、今残っているセダンは生き残りをかけて「必死」なので(とくにアコードとカムリ)、かなり競争力の高い製品に仕上がっているであろうこと、等。
ただしちょっと前から「セダン復権」という傾向は統計から見ることができ、アメリカ市場は「以前とは変わってきている」ようではありますね。
ここでぼくが考えるのは「最後まで踏ん張ったらなんかいいことある」というもので、たとえばレコードが売れなくなって「レコード針」メーカーがどんどんなくなり、となると残ったメーカーに注文が集中したり、関西の遊園地だと「エキスポランド」や「ポートピアランド」が閉園し、残った「ひらかたパーク(ひらパー)」に客が集中する、といった現象ですね。
なお、アメリカや欧州ではビジネスの基本原則として「選択と集中」というものがあって、不採算部門はとっとと切り捨てて採算性のいい部門に資本を集中投下するというものがあり(ハーゲンダッツの店舗やカルフールが日本から撤退したのも同じ理由)、よってフォード、GMは現状を鑑みてセダンをあきらめてSUVに集中したということになりますが、逆に日本の考え方としては「石の上にも三年」「残り物には福がある」といった感じで撤退をヨシとしない傾向があり、そのため今回の調査では上位4つが「日本の自動車メーカー」。
そして、今回セダンを諦めたフォードやGMが「今からセダンを開発しても」トヨタやホンダ、ニッサには敵わず、もし本当にセダンが復権するとしたら、鉄則に従ったフォードやGMがさらに苦しい状況に追い込まれるということになるので、「ビジネスとは本当に難しいものだ」というところですね。
ちなみにちょっと前まではどの調査会社も揃って「セダンは絶滅」。
ただしその後は何故かセダン復調と伝えられることが多くなっています。
なお、日本でもセダン人気が若年層を中心に復活しつつあると言われますが、今の若者にとってセダンは「初めて見る」「新鮮」なものなのかも。
そのちょっと上の世代だと「セダンはオッサン臭い」となるものの、若い人々にとっては、まさに「一周回った」感じなのかもしれません。
ちなみにSUV大好きな中国においては、SUVの次に売れているのが「セダン」だそうで、かつこれは「結構な比率」だと聞いています。