| 現在インフィニティは日産に格納されているといえど、展開のない日本で大々的にコンセプトカーを発表する意図がナゾである |
インフィニティは現在ブランドを再建中、「和風テイスト」へとシフトするもよう
さて、日産の高級ブランド、インフィニティが「4つのニューモデルを発表する」計画を発表し、その4台の概要についていくつかの情報を公開しています。
ちなみにインフィニティはかつて香港に本社をおいていたものの、現在は横浜の日産本社へと格納され、内田誠社長兼CEOの管轄下となっています(これに伴い、インフィニティの多くの計画が白紙に戻されている。なおインフィニティの直接の担当はホセ・ロマン氏)。
そして発表された「4車種」とはBEVのファストバックセダン「ヴィジョンQe」、そのSUV版である「ヴィジョンQXe」、そして実際に市場へと投入される次世代フルサイズSUVのフラッグシップモデル「QX80」、そして新型クロスオーバークーペである「QX65」。
ここで今回公開された内容を見てみましょう。
インフィニティ Vision Qeはこんなクルマ
まず、画像が公開されたのはインフィニティ初のEVとなる「Vision Qe」。
「2030年までにグローバルラインナップの大半を電動化する」という目標、”アンビション2030”を達成するため、今後インフィニティは積極的にEVを投入することとなりますが(2018年頃には中国専用EVを5モデル投入するという計画が公表されているが、それについてはその後聞かなくなった)、先陣を切って発売される可能性が高いのがこのヴィジョンQe(もちろん市販時には大幅にデザインがトーンダウンされることになるものと思われる)。
インフィニティの新しいデザイン言語「Artistry in Motion(アーティストリー・イン・モーション)」を採用しており、日本から着想を得たという「芸術的で刺激的なデザインと、力強くも優美な動きを融合させたフォルム」を持っています。
なお、このフロントや・・・。
ホイールに見られる「多数の直線」について、少し前に発表された「再ブランディングを行い、和風テイストを取り入れた店構えへと変更する」として発表されたディーラーの内装とシンクロしており、このデザインが今後も全面に押し出されることになりそうですね。
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ちなみにこの発光グラフィックは「デジタルピアノキーライト」というのだそう。
今回のプレスリリースではヴィジョンQXeの画像は「集合写真」でしか公開されていませんが、見たところ「Qeのクロスオーバー版」といった感じです。
ヴィジョンQe含め、スペックについては公表されていないものの、ミズーリ州キャントン工場で生産されることが明かされており、つまりは米国製と言うことになりますね。
インフィニティはフラッグシップSUV、QX80を発売予定
そして次に市販車として紹介されたのがフラッグシップSUV、QX80(10年ぶりのフルモデルチェンジ)。
これは8月に開催された2023年ペブルビーチ・コンクール・デレガンスにて「QXモノグラフ」として発表されたコンセプトカーの市販バージョンです。
なお、このQX80と同時に発表されたのが「QX65」なる新型車で、しかしこちらについてはまったく画像が提供されておらず、スタイリッシュなミッドサイズ・クロスオーバーであることだけが明かされています。
そして今回の発表における最大のナゾが「なぜインフィニティは、日本で今回の重要発表を行ったのか」。
インフィニティの主戦場は北米であり、インフィニティが本腰を入れて日本で展開するという話もなく、しかし2020年にも「QX60 モノグラフ」が日本で公開されたという例も。
それでも当然ながらインフィニティのニューモデルが日本で市販されたということはなく、そういった状況の中、今回もまた日本において、かつ「和」テイスト全開でのコンセプトカー、そして新型車発表イベントとなっています。
日産からは今回のイベントの意図、日本での展開については一切語られていないものの、もしかすると「日本で公開」という既成事実を作り、あたらしく「和風」にて(北米で)仕切り直すインフィニティブランドのイメージを一新したいのかもしれません(日本で企画され、デザインされているという印象を米国市場に根付かせたいのかもしれない)。
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参照:INFINITI