| どこまでSUVブームは続くのか。いや、ここまでくるとそれは「ブーム」ではなく時代の要望なのか |
ボルボCEO、ヘイカン・サミュエルソン氏によると、「将来、自動車販売に占める75%はSUVになるだろう」とのこと。
実際のところ、これには根拠があるようで、2020年現在に至るまでのボルボの売り上げのなんと71%がSUV。
参考までに昨年だとSUVが占めていたのは63%とのことなので、とにかく恐ろしいペースでSUVが成長しているということになりますね。
SUV市場は拡大する一方
なお、SUV市場が盛り上がりはじめたのは6〜7年前ですが、ある意味でSUVは自動車メーカーにとっての「救世主」。
というのも、製造コストが高くない割に「利益が取れるため」で、これは「セダンやハッチバックに比較して高い値付けが可能となるため」。
単純に「大きく、スペース効率に優れ、(場合によっては)4WD」ということで価格が高くとも消費者が買い求めることになり、これは既存のどのカテゴリとも異なる傾向だと言えそう。
SUVの存在自体がプレミアム、かつ付加価値を持った商品だと言いかえることもできますが、これはミニバンのように世帯っぽくもなく、「スポーツ」「アウトドア」というライフスタイルの豊かさ、そして余裕を感じさせるわけですね。
よって、既存プットフォームを使用して車高を上げ、オフローダーっぽい樹脂製クラディングを装着するという商法が急激に幅を利かせることになりますが、雨後のタケノコのように増え続けるSUVを見るに、3年ほど前には「SUV市場は過密になり、負け組も登場するだろう」と考えるアナリストも登場。
ただし実際は「クーペSUV」「オンロードメインのSUV」「超高級SUV」さらには「オープンSUV」などバリエーションを拡大しながらSUVは市場を拡大しており、その意味ではアナリストの予想を超えて成長していると考えることもできます。
SUVに社運をかける自動車メーカーも多数
こういった事情を鑑みて、フォードのように「わずか数車種を残してセダンとコンパクト市場から撤退」するメーカーもあり、これまでセダンに注力してきたレクサスもSUVへ注力するために続々(市場によって)セダンを販売終了に。
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ランボルギーニだとウルスの投入によって販売台数が「ほぼ倍」となっており、ベントレー、ジャガー、アルファロメオ、マセラティもSUVによって救われた自動車メーカーたちだと言えます。
そしてこれらについてはさらにSUVラインアップを拡大する意向を持っており、そうなると「SUVの販売比率が75%」というのも現実的な数字となって見えてきますね。
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これらのほかにも、ポルシェだともっとも売れているモデルがマカン、アウディだとQ5、レクサスだとRXという状況となっており、SUVが各自動車メーカーにおいて「最重要カテゴリ」となったことはもはや否定のしようがなく、さらにこの傾向は加速してゆくことになりそうです。
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