| 北米のトヨタは毎回やることのレベルが他の国とは全く異なる |
ランドクルーザー250は北米だと「3年半ぶりのランクル導入」となり、現地では期待が高まる
さて、トヨタがSEMAに展示するランドクルーザーのカスタムカー2台、「FJブルーザー」と「レトロクルーザー」を公開。
なお、両者とも「ランドクルーザー」のバッジやネームプレートが取り付けられていますが、これは先日発表された「ランドクルーザー250」との関連性を持たせ、ランクル市場を盛り上げてゆこうという意図があるからだと考えられます。※北米だとランクルは3年半もの販売休止期間を経ている
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トヨタ FJブルーザーはこんなクルマ
そしてまずこちらは「FJブルーザー」。
これは無敵のロッククローリング(岩登り)マシンとして設計されており、山岳路のみではなく荒野をぶっとばすべくNASCARゆずりの5.9リッターV8エンジン(725馬力)を搭載しています。
このエンジンにはマグナフロー製のエキゾーストシステムが装着され、見たところボディを貫通してエキゾーストパイプが突出することに。
トランスミッションはレース用3速オートマチック、フロントとリアにはカリーディファレンシャル、トランスファーケースには2WDと4WDの切り替え、さらに減速機構が備わっており、なんと7,000回転時であっても、もっとも低いギアでは時速19キロ程度で「這う」ことになり、これはとんでもない登坂能力持つことを意味します(軽々と岩をよじ登れそうだ)。
逆にトップギアだと(7,000回転で)時速265km/hに達するといい、凄まじいフレキシビリティを備えると考えて良さそうですね。
前後アクスルは当然「ソリッド」、そしてFOX製サスペンションにアイバッハ製スプリング、そしてタイヤには42インチサイズのBFグッドリッチ クローラーT/A KX(ホイールには当然ビードロックつき)。
見たところタイロッドは「ピロジョイント」を採用しており、つまりは究極にダイレクトなステアリングフィールを持つと考えて良さそうです。
ちなみにサスペンションストロークも非常に大きく、「ボトム」したときにはタイヤの上部がサイドウインドウの真ん中くらいにまで到達するとのこと。
荷台には熱を放出するためのファン、そして強化フレームにスペアタイヤ。
ちなみにこのボディカラーは「シルキーブルー」と命名されています。
このFJブルーザーのインテリアも完全に見直され、インパネやセンタートンネルなども新しく。
シートやパッドにはチェック柄が用いられていますが、これは「FJ初期のベンチシートへのオマージュ」だと紹介されています。
ステアリングホイール、シート、ハーネスはMOMO製ですね。
トヨタ・レトロクルーザーはこんなクルマ
この「レトロクルーザー」は今回新しく制作されたものではなく、1999年にレーシングドライバーのロッド・ミレンがトヨタの(当時の)上級管理職と一緒にカスタムしたクルマ(今回の出展に際し、外装のリフレッシュを受けているようだ)。
トヨタは当時「安価で若者受けする」クルマを模索していたといい、よてロッド・ミレンに「なにかいい案はないか」と声をかけ、そこでロッド・ミレンが5,000ドルの中古ランドクルーザーを購入してきてカスタムしたのがレトロクルーザーというわけですね。
フレームを一旦カットして10インチ延長し、そこからサスペンションをアップグレードすることで(トヨタ・モータースポーツ・ガレージ・チーム・マネージャーのマーティ・シュワーター氏いわく)「究極にコンフォートな乗り心地を実現した」とされていますが、ランドクルーザー100の4.7リッターV8エンジン、同じくランクル100の4速オートマチック・ギアボックス、トランスファーケース、ロッキングディファレンシャル等を移植するなど「現代風のアップデート」が施されています。
さらにはコイルオーバー・スプリング/ショック・アセンブリを備えた独立リア・サスペンション装着、フロントトラック(トレッド)の拡大(4インチ)、ホイールトラベルの30%拡大といった改装も。
そのほかだと専用のハブとブレーキ、カスタムスキッドプレート、35インチのジェネラルタイヤといった装備を持ちますが、こういった「レトロなルックスと現代的な装備」が高くトヨタに評価され、これがのちのFJクルーザーへと発展するわけですね。
インテリアもまた「(当時の)豪華さを追求したもので、コノリーレザーにカーナビゲーションシステム、衛星電話、パワーアクセサリーなどの機能が備わります。
今回この車両を展示するに際し、トヨタにてマーケティングを担当するマイク・トリップ氏は「レトロクルーザーのような車両は、ランドクルーザーの象徴的なステータスを証明するものです。SEMAで展示することで、まったく新しい世代のランドクルーザー愛好家にインスピレーションを与えたいと願っています」と語っており、SEMA、そして今後SEMA以外においても、ランクル250の発売に向け、様々な手段にて、様々な層へとアピールを行うことになりそうです。
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参照:TOYOTA