GRカローラのオーナーが納車から走行800kmで痛恨のシフトミス。一瞬でエンジンが分解し修理費用として新車価格を超える657万円を請求される

Image：Toyota

｜　シフト「ミス」だけにオーナーにも非があり、本来であればトヨタが責任を取る必要もないとは考えるが　｜

それでもGRカローラの性格等を考慮すると、トヨタは一部負担等を考慮してもいいのではと思われる

さて、GRカローラのオーナーがシフトミスをしてしまい、その結果としてエンジンを破損させ、新車価格の41,515ドルを上回る42,180ドルもの修理費用を請求されたという一件が話題に。

このオーナーは新車から走行距離が約800kmの時点でこの悪夢のシナリオを経験したわけですが、ある晩に自宅へと戻る際、5速に入れるところを誤って3速に入れてしまい、その結果として（ディーラーの調査によって判明した状況によると）8,900回転までピストンスピードが上昇することになり、その結果としてピストンがブロックから飛び出て「エンパー」になってしまいます。※GRカローラのレブリミットは6,500回転

まさかGRカローラの修理費用がこんな額に達するとは

オーナーの名はチャーリー・ホルムブラッドさんといい、このトラブルが発生した後にディーラーへとクルマを預けて修理を依頼するものの、依頼時には「まさかこれだけの金額を請求されることになるとは」考えていなかったそうで（たしかにこれは予想できない）、そしてもうひとつ驚いたのはトヨタが保証の適用を完全に拒否したこと。

ただ、この件に関する保証の適用は「微妙」でもあり、シフトミスはオーナーの責任であって、そのフェイルセーフ機能を設けるかどうかについては自動車メーカーの責任範囲ではないと思えるため（湾岸ミッドナイトでも「自己責任によるトラブルは助ける必要がない」とも言っていた）。

しかしその一方、これだけATが普及しMTに不慣れな人がいる中、こういった事態はトヨタも容易に想定できたはずで、よってユーザー保護の観点ではフェイルセーフを（たとえ法規で定められていないとしても）装備するのがメーカーとしての両親なんじゃないかとも考えています。※そもそもギアが3速に「入ってしまう」ことも問題かも

なお、少し前にも同様の例があり、その場合はトヨタディーラーが保証を適用してエンジンを交換したそうですが、今回の一件はそうではなく、ここが話題を呼んでいる（金額以外の）もう一つの理由です。

GRカローラの修理費用はこれだけかかる

そこでチャーリー・ホルムブラッドさんが提示された修理見積もりの内容を見てみると、まずディーラーは「バルブが曲がっており、金属の削りくずがオイルの中にあり、ピストン3がシリンダーの壁に傷を付けただけでなく、熱で溶けていた」という調査結果を前提とし、この検証のためにトヨタ本社からも技術者が派遣されたもよう。

そして見積もりの内容としてはショートブロックアセンブリが5,483.45ドル、エンジンヘッドは2,297.97ドル、タイミングカバーはさらに1,180.88ドル、インタークーラーアセンブリは3,031.94ドル、ターボチャージャーアセンブリは5,299.78ドル、そこに人件費が加わって42,180ドル。

もちろんチャーリー・ホルムブラッドさんは「保証適用外」を不服として各方面と調整を行っているそうですが、現段階では解決に至っておらず、やむなく別のクルマを購入して乗っている、と報じられています。

ちなみにですが、少し前にもGR86にてスポーツ走行を行いトラブルを経験したオーナーが「トヨタから保証での修理を拒否され」それをSNS上で共有したところトヨタが姿勢を翻して保証での修理を申し出たということがあり、今回も結果的には「騒ぎが大きくなり、トヨタが修理費用を負担する」ことになるのかもしれません（同様の例がいくつかあり、トヨタディーラーは”そうなる”ことを予見するべきであるとも思う。とくにGRカローラについては、トヨタ自身が公式プロモーション動画で派手なスタントを披露しており、ハードに扱われる可能性が高いクルマでもある）。

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参照：CARSCOOPS