
| てっきりトヨタは円安を利用し海外へばかり販売していると思っていたが、ちゃんと日本市場にも「振り分けて」いたようだ |
それでも日本の「比率は高くなく」、地域別だと中東が圧倒的
フルサイズSUVの代名詞ともいえるトヨタ・ランドクルーザー300シリーズ(J300)が2024年のグローバル販売で10万5,700台を記録したとのニュース。
北米市場には導入されていないにも関わらず、その人気は世界中で高まっており、特に注目すべきはその国別販売構成で、オーストラリアが最大市場となったことです。
2024年販売台数トップは「オーストラリア」、中東諸国が全体の6割を占める
今回、英CarIndustryAnalysisのフェリペ・ムニョス氏がまとめたデータによると、ランクル300の販売台数上位国は以下の通り。
順位 | 国名 | 台数 |
1位 | オーストラリア | 13,790台 |
2位 | 日本 | 13,174台 |
3位 | サウジアラビア | 12,381台 |
4位 | UAE(アラブ首長国連邦) | 9,319台 |
5位 | オマーン | 8,882台 |
6位 | カタール | 8,685台 |
7位 | クウェート | 8,028台 |
8位 | イラク | 7,133台 |
9位 | ロシア | 3,682台 |
10位 | ヨルダン | 2,849台 |
国別だとオーストラリアが1位、日本が2位となっているものの、特筆すべきは、中東地域の国々が全体販売台数の59%を占めている点で、これを見るにランドクルーザーの“聖地”とも言える市場へ。

さらに言及するならば、日本とサウジアラビアとはほぼ同じくらいの台数を販売していますが、サウジアラビアの人口は3530万人、日本は1億2330万人なので、人口あたりのランドクルーザー300の販売比率は「日本の3.5倍」。
また、トヨタが正式撤退したロシアが9位にランクインしているのも興味深いポイントで、(この統計がどうやって集計されたのかはわからないものの)非公式な並行輸入などが背景にあると見られます。

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北米未導入でも堅調、今後は新型やハイブリッド仕様で販売拡大に期待
ランドクルーザー300シリーズは2021年に登場し、トヨタのTNGA-Fラダーフレームプラットフォームを採用。
2025年モデルではデジタルインストルメントクラスターが追加され、2026年には自己充電式ハイブリッド(HEV)仕様も投入予定です。
ライバルである新型日産パトロール(15年ぶりの刷新)の登場によって、今後の販売動向にはなんらかの影響が及ぼされることも考えられますが、ランドクルーザーのブランド力と技術革新が支持されれば、むしろ新たな成長のチャンスとも言えるのかもしれません。
北米市場が「逃した魚」だったのか?
この統計を作成したフェリペ・ムニョス氏は、ランドクルーザー300がアメリカおよびカナダで販売されていれば、さらに大きな数字となっていた可能性を指摘。
実際、北米ではランクル300の代わりにやや大型な「セコイア」や、上級ブランドの「レクサスLX」が展開されており、それぞれ好評を博しているとも報じられ、この環境においてトヨタが「北米にランクル300を導入しない」理由はちょっとナゾ。
トヨタとしては、よりプレミアムなモデルとの棲み分けや利益率の最大化を狙った戦略を取ったのかもしれませんが、“本格派ランドクルーザー”を求める声が北米でも根強いことを考えると、(ブランドイメージ含め)機会損失と見る向きがあることにも納得ですね。
まとめ:世界の「ランドクルーザー愛」は健在
ランドクルーザー300シリーズは、北米市場を除いても年間10万台超を販売するグローバルモデルであり、今後もハイブリッド化や装備強化によってその地位をさらに確固たるものにしてゆくことは間違いなさそう。
2026年の電動化モデルによる変化や、中東・オセアニア・アジア各国での販売戦略にも注目が集まります。

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参照:carindustryanalysis(Instagram), CARSCOOPS