| 中国からは実に多数のEVが登場 |
さて、北京モーターショーでは多数の新型車が発表されており、パクリあり、レトロあり、未来ありといった感じで百花繚乱。
そして他のモーターショーに比べると「エレクトリック」色が濃いようにも思われ、これはそもそも中国人が「テクノロジー大好き」であること、ガソリンエンジンに何ら魅力を見出していないこと(どうやらクルマに対する捉え方が日本やアメリカとは異なるようだ)、そして中国政府が”エレクトリック重視”姿勢を打ち出しており、メーカーもそれに倣ったほうが恩恵を受けることができる、という理由からだと思われます。
北京モーターショーでもっとも評価の高いクルマがこのHiPhi X
そして今回の北京モーターショーにおいて、「もっとも優れたクルマ」とのほまれ高いのがこの「HiPhi X(ハイファイX2)」。
これは中国現地のヒューマン・ホライゾンという会社から発表されたピュアEVで、昨年に「コンセプトカー」として発表され、今年展示されているのはその「市販(プロダクション)モデル」です。
そのボディ形状は「ミニバン」とも「SUV」とも形容しがたく、全く新しいカテゴリと考えたほうがいいのかも。
ちょうどファラデー・フューチャーFF91や、アストンマーティン・ラゴンダ・ヴィジョン・コンセプトのようなイメージですね。
画像を見るに、ヘッドライト、テールランプの下にはドット状のLEDが大量に配置され、これはおそらくなんらかのアニメーションを表示すると考えて良さそう。
見た感じでは、かなり高いデザイン性を持っており、非常に魅力的なクルマであるように思えます。
市販モデルだけあって細部までちゃんと作り込まれているようだ
ラインアップは「4シーター」と「6シーター」で、価格は4シーターのほうが高級な内装(キャプテンシート)を持つためか1300万円ほど、6シーターのほうが1100万円ほど。
正直言うとかなり高価なクルマですが、これはおそらく「テスラ・モデルS」や「ポルシェ・タイカン」の価格に合わせたのだと思われ、しかしその製造原価については、それらよりもずっと安いのだと思われます。
中国製品にはよくあることですが、たとえ「安く作れた」としても「安く売る」ことはせず、そのベンチマークよりもちょっとだけ安い価格に設定し、利益を最大化するという手法を採用しているのだと推測しています。
HiPhi Xのインテリアはこうなっている
そしてこちらがHiPhi Xのインテリア。
いったいどれだけ大きいのというくらいのディスプレイを持っており、モニター全部を合わせると40インチ以上になると言われるファラデー・フューチャーFF91よりもトータルでのサイズは大きそう。
ちなみにドアは観音開きですが、後部ドアに関しては「別体の頭上パネルも開く」という構造。
事前に公開された公式フォトではこんな感じ。
「ウイングドア」と呼ぶそうです。
0-100km/h加速は3.9秒、最高速は300km/hだとアナウンスされています。
全長は5,200ミリ、全幅1990ミリ、全高1,618ミリというかなり大きなクルマで、車体重量は2,380キロ。
とても中国の会社によるデザインだとは思えず、どこか名のあるデザインハウス、もしくは著名デザイナーの作だと思われ、しかしそのあたりは明かされておらず「謎」。
ただし、このドアの開閉方法はジウジアーロが好んで用いるもので、もしかするとジウジアーロによるデザインなのかもしれません。
バッテリーパックは96kWh、そして一回の充電あたり走行可能距離は610km、半自動運転を備えるとされますが、モーターの数やレイアウトなどは現時点で「不明」。
本当に発売できるのかどうかはわかりませんが、細部の完成度は非常に高く、おそらくは実際に発売してくるだろう、と考えています(ただしパフォーマンスはかなりトーンダウンすると思う)。