Image:BYD
| BYDの驚異的な成長は「人材」とくに研究開発部門への積極採用によって成し遂げられていた |
BYDはまさに「破竹の勢い」による快進撃を見せている
さて、恐るべき成長を短期間で遂げたBYD。
そのBYDの創業者兼会長である王伝福(Wang Chuanfu)氏が(中国中央テレビが主催した)第1回中国イノベーション / 技術フェスティバルにて、同社の成長の秘密について語り大きな反響を呼ぶことに。
BYDは現在、世界を代表する自動車メーカーの一つにまで成長していて、従業員数は100万人に迫り、110,000人のエンジニアを擁し、世界最大の研究開発(R&D)人員を誇る企業となっています。
加えてBYDは、毎営業日平均32件の特許を申請しており、ここは革新に対する絶え間ない追求が反映されている部分でもありますね。
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BYDはこういった成長の軌跡をたどっている
BYDの従業員数の増加は過去10年間で驚異的な成長を遂げており、特にエンジニアリング部門では、2011年の2万人強から2024年には110,000人にまで拡大。
もちろん全体の従業員数も飛躍的に増加して2021年には60,000人以上の新規採用を行い、総従業員数は28万人超にまで達しています。
ただしここで驚くのはまだ早く、この数字は2022年に倍増して約57万人に、そして2024年にBYDの従業員数は100万人に迫る規模となり、最も大きな増加は生産部門と研究開発部門に集中しています。
BYDの採用戦略で特に注目すべきは、新卒の大学卒業生に対する積極的な採用で、ここ2~3年だと同社は5万人以上の新卒を採用しているそうですが、これは一般に欧米そして中国は経験値を重視するため、あまり新卒採用を行いたがらないのとは真逆の傾向。
しかしそれでも、これら新卒のうち、今年採用された人材の約70%が修士号または博士号を持ち、80%が研究開発部門に配属されていると述べており、王伝福会長によれば、現在のBYDの乗用車ビジネスグループの最高執行責任者(COO)である何志奇(He Zhiqi)や、上級副社長である楊東生(Yang Dongsheng)のように「BYDの多くの幹部や技術リーダーが新卒として入社し、その後成長を遂げた」。
Driving Into 2025: A New Chapter of Electric Innovation
— BYD (@BYDCompany) January 1, 2025
Happy New Year from BYD—where cutting-edge technology drives sustainable mobility forward.#BYD #nye #newyear2025 #EV pic.twitter.com/9Ck3Aej8wL
さらにBYDはその販売実績に関しても新エネルギー車(NEV)市場で引き続き素晴らしい成果を上げていて、2024年1月から11月までの期間375万7300台のNEVを販売し、前年同期比で40.02%の増加を記録しています。
特にBYDの電池の搭載容量は顕著な増加を見せ、2024年11月には16.87 GWhに達し、年間の累積搭載容量は117.54 GWhに至っていて、いかに電動車の伸びが顕著であるかもわかりますね。
加えてBYDは2024年の販売目標を超過達成しており、当初の目標は360万台であったものの、同社はすでに427万台の販売をアナウンスしており、元々の目標を大きく上回る結果となっています。
Breaking New Ground: BYD delivered more than 4 million New Energy Vehicles in 2024, proudly claiming the Global Sales Champion!
— BYD (@BYDCompany) January 2, 2025
Together with our customers worldwide, we're building a cleaner and brighter tomorrow.#BYD #BuildYourDreams pic.twitter.com/yaHUWlUnba
ここでざっと要点をまとめると以下の通りですが、まだまだ数年はこの勢いを継続することとなりそうですね。
- BYDの従業員数:100万人に迫り、110,000人のエンジニアを擁する世界最大のR&D人員を誇る企業。
- R&D投資:累積R&D投資は1600億元(約219億米ドル)超え。
- 販売成功:2024年に427万台の販売実績を達成し、360万台の目標を超過達成。
- 人材への投資:5万人以上の新卒採用、そのうちの70%が修士号または博士号を持ち、80%がR&D部門で活躍。
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