| ヒョンデはかねてよりスーパーカーへの夢を持ち続け、アイオニック5のヒットによって思わぬチャンスが舞い降りる |
やはり何事も「動かなければ」はじまらない
さて、デザインを大きな武器としてその販売を伸ばしている韓国ヒョンデ。
躍進のきっかけとなったのはピュアエレクトリックカー「アイオニック5」ですが、そのアイオニック5はもともと「45EVコンセプト」として発表されたコンセプトカーをデザイン的なベースとして市販に移されたクルマです。
そしてその「45EVコンセプト」は、(当時)45年前にヒョンデが発表した「ポニークーペ」へのオマージュであり、この45EVコンセプトがヒョンデの(その後の)方向性を決定づけたと言っていいかもしれません。
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もともとヒョンデはここまで「ポニークーペ推し」の計画ではなかったのだと思われる
当時の状況を振り返ってみると、ヒョンデは「たんなるポニークーペの45周年記念」としてこの45EVコンセプトを発表したようで、しかしその反響は”凄まじく”、よってその反響に応えるべく、(45EVコンセプトの)デザインをなるべく損なわないようにしてアイオニック5を発表したわけですが、ヒョンデは「これだけ反響が大きかった45EVコンセプトを活用しない手はない」と考えたのか、その後(45EVコンセプトに採用された)ピクセルをいくつかのコンセプトカーや市販車に反映させることとなっています。
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そういったコンセプトカーのうちのひとつが2022年12月に発表された「N Vision 74」であり、これはポニー・クーペを強く意識したデザインを持っていて、ヒョンデはこれを「遺産からインスピレーションを得た未来的なローリングラボ(走る実験室)」と表現しています。
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そしてこのN Vision 74の反響もまた非常に大きく、市販化を望む声が絶えなかったわけですが、今回出てきた報道だと、ヒョンデは5月27日に”現代自動車初の量産車”であるポニーを記念した「ポニー・デイ」を計画しているといい、このイベントにおいてN Vision 74の市販モデルについて公式発表が行われることになるもよう。
この「ポニー・デイ」イベントでは、ヒュンダイは、オリジナル・デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロとその息子ファブリツィオによって再現された、オリジナルのポニー・クーペ・コンセプト(ジウジアーロは、これがデロリアンDMC-12をデザインする際にインスピレーションになったと公式に語っている)のリビルド(もしくはレストモッド)バージョンを公開すると予想され、文字通りの「ポニー祭り」となることが予想されます。※下の画像がポニー・クーペ・コンセプト
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ヒョンデはずっとスーパーカーを作りたいという夢を持ち続けてきたが
なお、ヒョンデはハイパフォーマンス部門「N」を設立し、ヒョンデの市販モデルをベースとしてハイパフォーマンスカーを企画してきましたが、同時に「スーパーカーを作りたい」という夢をずっと持っており、これまでにもミドシップスポーツの試作車を作り続け、そのほかヴィジョン グランツーリスモ N 2025なるコンセプトカーを発表したことも。
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そういった経緯を考慮すると、ヒョンデが「N Vision 74に対する要望や反響」をこのスーパーカー開発とリンクさせることも容易に想像でき、この機を活用してスーパーカープロジェクトを進行させるつもりなのかもしれません。
ただ、ちょっとした懸念もあって、現時点ではモータースポーツでの実績、ハイパフォーマンスカーにおける実績の乏しいヒョンデのスーパーカーに対して高額の対価を支払う人がどれくらいいるのかということ。
スーパーカーと言うからにはそれなりの価格になるものと思われ、しかし高すぎると売れず、安価な設定だと利益も取れずブランド価値を下げてしまうことになり、ヒョンデがどういった戦略をもって「スーパーカー」を販売しようというのかはちょっと気になるところです。
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参照:Money Today