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世界第三位にまで成長したヒョンデが「販売台数を架空計上し水増しした」として訴えられる。「EVの販売が好調」だとされた実績は偽りだったのか?

ヒョンデ アイオニック5

| 現時点で訴訟は進行中、事実関係については明らかになっていない |

過去にはクライスラーが同様の事例で「有罪」と判断されている

さて、ヒョンデ・モーター・グループはトヨタとフォルクスワーゲンに次ぐ(販売規模で)第三位の自動車メーカーに成長していますが(2023年実績で世界シェア約8%)、今回ヒョンデのディーラーグループが「その販売台数データは捏造されたものである」としてヒョンデを提訴したとの報道。

なお、現時点でヒョンデは「データの改竄・捏造は容認できるものではない」「事情については調査中」としており、訴訟自体も現在進行中であるため、事実はまだ明らかではない状態です。

ヒョンデの「データ捏造」はどんな手口で行われたのか

そこで今回の「販売データ捏造」につき、米国のヒョンデディーラーがシカゴ連邦裁判所に提出された訴訟によると、「貸出用の車両(代車やデモカー)」「あるいは在庫車」を「販売済み」コードへと不正に書き換え、これによって販売台数を水増ししたとのこと。

そしてこのデータ捏造計画に合意し実行したディーラーには(ヒョンデから)現金によるボーナス、インセンティブの割合増加など様々な優遇が与えられたといい、今回訴訟を起こしたディーラーグループの一つであるネイプルトン・オーロラ・インポーツはヒョンデから指示を受けた際の音声通話の録音データを保持しているとされ、そこには「我々は現在窮地に立たされたている。マスコミと韓国人のために目標を達成しなければならない」語る地域マネージャーとの会話が記録されている、と主張しています。

加えて同マネージャーは「このコード書き換えにはEVが適している」と示唆し、よってEVの販売が「不当に大きく見せられた」可能性も否定できません(繰り返しになるが、事実は明らかになっていない)。

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ヒョンデ
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他にも「販売データを捏造した」自動車メーカーが存在

なお、ネイプルトン・オーロラ・インポーツは2019年にも「販売台数を水増ししようとしたとして」クライスラーを提訴し和解に成功したことがあるそうで、加えて同年にはクライスラーが「月間販売数を水増しして投資家を欺いたとしてSEC(米国証券取引委員会)に約4,000万ドルの罰金を支払うことに同意した」という事件も別途発生しています。

よって、今回のヒョンデの「水増し」については前例が存在し、ネイプルトン・オーロラ・インポーツは経験に基づいて「勝つ(あるいは和解の)」見込みがある戦いを挑んだのだとも考えられ、訴訟が進むにつれ、販売が水増しされたという事実の有無、そして事実であればどれくらいの台数が不正に計上されていたのかが明らかになりそうですね。

そしてもしヒョンデが「ギルティ」となったならば、クライスラーの例同様に、”投資家に対する詐欺行為”が追求される可能性も非常に高く、この問題は様々な波紋を呼ぶことになりそうです。

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参照:CARSCOOPS

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