| たとえリマックが「コンセプト・ワン」を発表したときですら、誰もがリマックの現在を想像できなかったはずだ |
リマック創業当時、創業者は狂人扱いされたというが
さて、リマックがそのエレクトリックハイパーカー「ネヴェーラ」につき、最初の生産ロットがロールオフした、と発表。
生産はクロアチア(おそらくはリマックの新工場)にて行われ、ここまで来るには「5年間の開発とテスト、3世代にわたるパワートレイン技術の積み重ね、18台のプロトタイプ製作、45回のクラッシュテスト実施、160万時間以上を要した研究開発」を経ることになった、ともアナウンスしています。
リマック・ネヴェーラ最初の一台は「カリストグリーン」
なお、リマック・ネヴェーラの市販スペック第一号はこのカリストグリーンの個体で、ホイールはグラファイト・バーテックス、インテリアはサンド(アルカンターラ)。
コロナウイルスのパンデミック、半導体(マイクロチップ)不足、そしてサプライチェーン問題など様々な課題を乗り越えての生産開始となり、リマックとしては感極まるものがあるかと思われますが、この1号車のシャシーナンバーは「000」だと紹介され、これは顧客へ納車されるのではなくリマックのデモカーそしてマーケティングカーとして使用されるのだそう。
もちろん顧客へと納車されるネヴェーラの製造もはじまっており、じき世界25カ国に設置したディーラーを通じてのデリバリーが行われるようですね。
リマックは年間で最大50台のネヴェーラを生産する予定だそうですが、当然ながら初年度生産分はすでに完売しているとされ、総生産台数は3年分つまり150台ということになり、昨年の話だと「まだすべての個体が完売したわけではない」とのことなので、今でもわずかながら生産枠に余裕があるのかもしれません。
-
リマックCEO「C_Twoが完売したと言われるが、それは正しくない。製造前にハイパーカーを完売させることができるのはフェラーリくらいのものだ」
| ただしあと何台受注枠があるのかはわからない | 現代において錬金術を成し遂げたとも言えるクロアチアの新興EVメーカー、リマック・アウトモビリ。メイト・リマック氏によって設立された新しい会社ではあり ...
続きを見る
このリマック・ネヴェーラは4つのエレクトリックモーターと120kWhのバッテリーパックを搭載して1914馬力を発生し(現在納車がなされるクルマでは世界最強かもしれない)、0-100km/h加速1.85秒、ゼロヨン8.582秒という「世界最速」のハイパーカー。
基本カラーとして36色が用意され、もちろんそのほかにも自在にカラーをオーダーできるそうですが、さらにはリマックの社内にてデザインされたリバリー、カーボンの織柄がそのまま見えるエクスポーズドカーボンボディも用意され、インテリアだとレザーやアルカンターラ、そしてコントラストカラー/ステッチやメタルフィニッシュといった仕上げを選べるようですね。
リマックCEO、メイト・リマック氏によると「ネヴェーラは最先端のハイパーカーとなるべくして開発されており、ドライバーと乗員がこれまでに経験したことのないようなスリルを味わえるエキサイティングなクルマです。お客様へと高度にカスタマイズされたクルマが納車され、運転中の楽しいストーリーを聞くことをとても楽しみにしています」のこと。
ちなみにリマックはブガッティを傘下に収め「ブガッティ・リマック」社を新設していますが、おそらくは今後この新会社にてブガッティ・シロンの後継含む新型車の開発を行うものと思われ、このネヴェーラのテクノロジーを転用したハイブリッド、もしくはピュアエレクトリックハイパーカーが登場することになりそうです。
このリマックはクロアチア人のメイト・リマック氏によって創業された若い企業であり、同氏は自身の(ガソリンエンジン搭載の)M3のエンジンが壊れたことからエレクトリックパワーユニットへと換装し、度重なるバージョンアップを経て”ガソリンエンジンを越える”パフォーマンスを得るまでに。
その経験を生かしてリマックを設立して「コンセプト・ワン」を発売することになりますが、販売した台数はわずか10台程度であるにも関わらず世界中の自動車メーカーから大きな注目を集め、ポルシェやアストンマーティンとの協業、さらにはポルシェの出資等によって大きく成長し、ついには創業わずか12年にて、110年もの歴史を誇るブガッティを手中に収めています。
-
33歳でブガッティを支配下に置いた男、メイト・リマック。その生い立ち、これまでの歩みを見てみよう
| メイト・リマックが「リマック・アウトモビリ」を設立したのは21歳、そして12年後には事実上ブガッティを手中に収める | ここまで急速に成長した自動車メーカーも珍しい さて、先日ブガッティとの合弁会 ...
続きを見る
現代の自動車業界ではパガーニやケーニグセグといったハイパーカーの成功例がありますが、それらをもってしてもリマックの成功例と比較することはむずかしいかもしれませんね。※提携先(技術供与先)としてはほかにフェラーリ、ピニンファリーナ、メルセデスAMG、メルセデス・ベンツ、クプラ、ケーニグセグ、ジャガー、ルノー、マグナ・シュタイヤーなどがある
リマック・ネヴェーラの初期生産ロットと新工場を紹介する動画はこちら
合わせて読みたい、リマック関連投稿
-
ブガッティ・リマックCEO、シロン後継モデルについて語る。「ガソリンエンジンは生き残り、しかし誰もが見たことがないような驚愕のハイパーカーになるだろう」
| おそらくは文字通り「ブガッティとリマック」が合体した、”ハイパーな”ハイパーカーになるに違いない | シロン後継モデルはてっきりピュアエレクトリックになると考えていたが さて、ブガッティはつい先日 ...
続きを見る
-
ブガッティ・リマックが新しい研究施設をオープン!どうやら直近でリマック、ブガッティそれぞれに新型ハイパーカーの発表が控えているようだ
| リマックの新型車は正体不明、ブガッティ側はシロンの後継モデル? | 今後はさらなる活発な動きが期待できそう さて、ブガッティとリマックは昨年11月に合同にて新会社「ブガッティ・リマック」を発足させ ...
続きを見る
-
ブガッティ・リマックCEOが語る「やりたくないこと」2つ。「ブガッティはもはやVWとはなじまなくなった」とも
| ブガッティ、リマックともに究極のパフォーマンスを標榜するブランドではあるが、構成される要素はそれぞれ異なる | いずれも重要なのは「ほかのクルマとは異なる、完全オーダーメイドであること」 さて、昨 ...
続きを見る