| この価格設定でも普通に売れるとしたら中国市場の底力は計り知れない |
たしかにカッコいいクルマだとは思うが品質がどうなのかはちょっと気になる
さて、中国のEV専業スタートアップ、ヒューマンホライゾン(Human Horizons)社がニューモデルとして「ハイファイ(HiPhi)Z」を発表。
このヒューマンホライゾン社はこれまでにも「ハイファイX」を発売していますが、高いデザイン性とテクノロジー、実用的な走行レンジを持ち、そしてなにより「高価な」プレミアムEVを得意としています。
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とにかくLED、LED、LED
そしてこのヒューマンホライゾンのハイファイシリーズはいずれも大量のLEDを内蔵していることが特徴で、今回のハイファイZは4,066個のLEDにて構成される「ラップアラウンド・スターリングISDライトカーテン」を備え、乗員はもちろん他のドライバー、そして周囲の世界とインタラクティブに意思の疎通ができるようになっています。
今回具体的な説明はヒューマン・ホライゾン社からなされてはおらず(中国の自動車メーカーはあまり多くを語らないことが多い)、しかしフロントバンパーにはヘッドライトの他にLEDにて情報を表示できる電光掲示板のようなものがあり(絶対にぶつけてはならない・・・)、そしてフロントドア、後部ドアにもLEDが内蔵され、とくに後部ドアのディスプレイにはなんらかのメッセージが表示されるようですね(公式フォトでは”Welcome”という文字が見える)。
ちなみにドアには「ウルトラワイドバンド技術」が内蔵され、これは人とキーの位置を正確に検知し、ドアオープンのタイミングや角度をより適切に、かつ自動にてコントロールできる、というものです。
リアにも大量のLEDが内蔵され、ハイマウントストップランプはもちろんテールランプやウインカー、そしてテールランプ中央にはなにやらディスプレイっぽいものも。
そしてリアバンパーにはフロント同様にLEDパネルが仕込まれ、ここにも情報を表示できるようですね。
なお、一時期はメルセデス・ベンツはじめ「路上へとプロジェクターにて文字や図形状を投影して歩行者とコンタクトを取る」「車体に内蔵したディスプレイに情報を表示する」というコンセプトカーが流行した時期がありましたが、このハイファイZはちょうどそんな感じでもありますね。
ちなみにボディ形状としてはクーペとSUVとの融合といった感じで、中国では比較的人気があって今後の主流となりそうな(新型クラウンのような)デザインを持っています。
参考までに、グリルシャッターと電動展開式リアウィングを備え、これによって車両の空気抵抗を自動的に調整し、揚力を低減してバランスを向上させるというアクティブエアロダイナミクスを搭載している、とのこと(こちらも詳しくは解説されていない)。
ハイファイZのインテリアもまた先進的だった
こちらはこのハイファイZのインテリアですが、独立した4つのシートを持つことからもこのクルマが「プレミアムカー」であることもわかり、そして広いグラスエリアを持つのも最近の中国車の特徴のひとつ。
そのほか2本スポークのステアリングホイール、ナッパレザーシート、ウルトラスエードのアクセント、23スピーカー構成を持つメリディアン・オーディオシステム、アンビエントライティングパネルといった装備もアナウンスされています。
ちなみにですがインフォテイメントディスプレイはフローティングマウントとなり、「8方向、無段階調整、高速動作のロボットアーム」に接続されることで、スムーズにその向きを変えることができる、とされています(画面は常に正しい方向を向き、縦向きでも横向きでも使用できる)。
さらにこのハイファイZには、「ドライバーと同乗者の体験のあらゆる側面を自動的に最適化できる最先端のAIコンパニオン 」とされるハイファイボットが搭載されるといい、これはインテリア照明、サウンド、フレグランスを組み合わせて没入感のある快適な環境を作り出す こともできるようですね。※これもまた中国っぽい
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ハイファイZはなかなかに高性能だが価格もそこそこ
ヒューマンホライゾンによると、このハイファイZは120kWhのバッテリーパックを搭載し、0−100km/h加速は3.8秒、一回の満充電あたり走行可能距離は705kmにも達するといい、オールアルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション、5リンクリアサスペンション(前後ともエアサス)、アダプティブダンパーを採用しているといい、さらにはリアステアリングシステムによって、5,000ミリを超える全長にもかかわらずミニクーパーと同等の回転半径を実現していると紹介されています。
加えてハイファイZには34個のセンサーとLiDARが搭載され、常に周囲の環境をスキャンする半自律走行システム「ハイファイパイロット」が搭載され、運転やパーキングの際のアシスト、スマートフォンアプリを使ったスマートサミング(車両の召喚)が可能になる、とのこと。
まさに「全部入り」のようなクルマではありますが、そのぶん価格は安くなく、スタートは60万元(1200万円)、トップレンジは80万元(1600万円)に設定され、成都オートショーにて正式発表がなされると報じられています。