ランボルギーニ・ウラカンのデザインについて、過去のランボルギーニ車やコンセプトカーからのデザインエッセンスが取り入れられていることがわかります。
登場前は「セスト・エレメント風」とはよく言われましたが、ヘッドライトのせいだけではなく、エストーケによく似ているように思います。
横長のヘッドライトはもちろんですが、リヤの処理もよく似ていますね。
テールエンドが跳ね上がった形状、横長のテールランプとグリル、ディフューザーの上に位置するリヤバンパーとその形状など。
グリルの3Dハニカムはエストーケで最初に用いられたように思いますが、その後はアヴェンタドール、ウルス、そしてウラカンにも採用されていますね。
リヤの形状、そしてフロントのデザインをさらに発展させたのがウルスと考えられますが、リヤでは横長テールランプと塗装部分そしてディフュー ザー、フロントではヘッドライト、グリルと左右エアインテークの位置と構造がほぼ確立されているように思われ、それがウラカンに転用されていると 考えられます(フロントバンパーとフード、エンブレムの位置もアヴェンタドールと前後し、この頃に確立)。
エストーケ、ウルスが登場した時にはかなり奇抜だとは思いましたが、今こうやってウラカンに繋がっていることを考えると、かなり長いタームでしっ かりとデザイン戦略を進めていたんだなあ、と今更ながら驚かされます。
アヴェンタドールについては、さほどこれらモデルとの共通性が薄いと感じることもありますが、それはおそらくカウンタックから脈々と連なるV12 ミドシップの系譜、ということでシザースドアはもちろん、フェンダー(タイヤハウスの切り欠き形状)、リヤの左右独立グリル(カウンタックのテー ルランプを現代風に置き換え、レヴェントンでで採用されたデザインの流れを汲む)等のデザインモチーフに「伝統」を反映させていることが理由だと考えています。
ランボルギーニ自身が認めるように、「V12ミドシップモデル」は特別な存在であり、同じブランド内といえども、他の車と明確な差異を持たせる必要があるのだと思います。
フラッグシップを通り越し、それはある種の「象徴」でもある、とぼくは考えているのです。
余談ですが、そこでやはり気になるのがガヤルドLP560-4FL。
アメリカ車は一般に、最終モデルでは次期モデルの予告的デザインを採用した変更を行うことが多いように思います。
これはスムーズに次モデルへと消費者を誘導するためと思われ、急に切り替わることで起こる混乱や批判を避けるための「クッション」ではないかと考えるのですね。
これがランボルギーニに当てはまるわけではありませんが、各モデルとのデザイン的関連性を強め、デザインを今トッププライオリティに掲げるランボ ルギーニが、なぜガヤルドFLにおいて「次期モデルや他モデル/コンセプトモデルと関連性の薄いように思える」前後バンパーを瞬間的に、わずか2年だけ採用してきたの か、というところが不思議なわけです。
もしかするとウラカンもガヤルドFLのようなルックスで登場する予定だったのかもしれませんが、今ひとつ市場の反響が良くなかったりして、結局FL風ルックスをやめたのかもしれませんね。
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