| インテリアは全般的に、「戦闘機」にインスパイアされたデザインを持っている |
さて、少し前にランボルギーニ・ウラカンEVO RWDについてエクステリアのレビューをUPしましたが、今回はインテリア編。
なお、ウラカン→ウラカンEVO RWDへのフェイスリフトに際し、エクステリアは大きく変わったという印象があるものの、インテリアについては「それほど変わってない」という印象も持っています。
ランボルギーニ・ウラカンEVO RWDにはこうやって乗り込む
ウラカンEVO RWDのドアハンドルはウラカンと同じくポップアップ式。
リモコンキーにてアンロックボタンを押せばパカっとドアハンドルが出てきます。
ちなみにドアハンドル形状はランボルギーニが好んで採用するデザインモチーフ「ヘキサゴン」。
ドアは相当に長く分厚く、しかも端が尖っているためにドアの開閉は要注意。
思ったよりもドアの先端が遠い位置にあり、うっかりすると周囲にぶつけてしまうことにもなりそうです。
さらに乗り込みを困難にしているのは、「サイドステップが張り出している」こと。
マクラーレンなど一部のスーパースポーツはこの部分が大きく内側に抉られていて乗降が容易となっているものの、ウラカンの場合はかなりサイドステップが外に出ていて、これをまたぐようにして乗り込む必要があるわけですね(最近では”コークボトル”シェイプを強調するため、サイド中央を絞り込むスポーツカーも多いため、ウラカンのこの出っ張りはかなり異例とも言える)。
全体的なインテリアの雰囲気はウラカンと同様
そして上述の通り、インテリア全体の雰囲気はウラカンとほぼ変わらず。
標準シートの形状、ダッシュボードやセンターコンソール、エアコン吹き出し口やメーターも基本的には同じ。
ただ、完全にウラカンと同じというわけではなく、相違点を挙げてゆくと、ウラカンではオプション扱いだったダッシュボード上の「Lamborghini」エンブレムが標準装備化。
ヘッドレストのランボルギーニ・クレスト(エンブレム)の型押しも標準化。
これらは以前、「ブランディングパッケージ」としてオプション設定されていたものですね(9万円くらいだったと思う)。
アームレストはこれまでの開閉式から固定式となり、サイズは小さくなってその後ろには小物入れ。
この仕様はウラカン・ペルフォルマンテと同一です。
リアバルクヘッドにはUSBソケットが2つあり、ひとつは車両との連携用(アップルカープレイを利用するには、優先での接続が必要)。
ぼくのウラカンEVO RWDに装着されるのは(スポーツシートではなく)標準シート。
着座位置同様に座面のクッション性もかなり低くくなっていますが、スポーツシートに比較すると、それでも「ずいぶんいい」とも思います。
座面の前後、シートバックの角度調整は電動です。
大きく変わったのはインフォテイメントシステム
そんな中でも大きく変わったのがインフォテイメントシステム。
ウラカンだとこの場所には(ダイヤルやボタンなど)物理スイッチがずらりと並び、それらによってオーディオやエアコンをコントロールしていたものの、ウラカンEVO以降はタッチ式液晶パネルが装備され、これによってエアコンはもちろん、オーディオ、車両の設定までもコントロールすることに。
ちなみにこちらはウラカン(ペルフォルマンテ)。
ウラカンEVO RWDではこう変化。
つまり物理スイッチが全部タッチ式となったわけですが、これまでは直接そのスイッチを操作すればよかったものの、タッチパネルだとその機能を呼び出す必要があり、手間自体は増えたと思います。
ただしこれは「慣れ」が解決する可能性もあり、もうちょっと乗ってみてからまた感想を述べる予定。
このセンターコンソールは、もともとこういったディスプレイを装着することを前提に設計されておらず、そのため位置がかなり低く、操作時には必然的に視線の異動が生じます。※デザイン的にも、ちょっと無理矢理感があるとは思う
よって、安全が確保できている場合しか操作しないほうが良さそうですね(アマゾン アレクサが搭載される予定であり、それが実現すれば問題の多くは解決できる)。
ちなみにこのタッチパネル上にはカーナビゲーション画面を表示させることができるのですが、ぼくは「視線を下に移動させなければならない」ことを嫌い、別途iPhoneをエアコン吹出口に取り付け、こちらをカーナビとして使用しています(USB端子をダッシュボード下に増設し、そこから電源を取っている)。
なお、メーターはウラカン時代から採用されている「液晶」。
ドライブモードによって表示が変わり雰囲気を盛り上げてくれますが、全体的なグラフィックはウラカンEVO世代に入ってから見直され、ヘキサゴンをフィーチャーした「透かし」グラフィックが下部に表示されるように。
ちなみにメーター表示にはイタリア語が用いられ、「オイル」は「OLIO」、「ガソリン」は「BENZINA」といった具合ですね。
これはもちろんランボルギーニ流の「演出」であり、イタリアンを視覚的に表現し、顧客にエキゾチックさを感じてもらおうという思想から来ているのだそう。
ここ最近で自動車の内装は大きく変わった
ただ、ここ数年で自動車の内装は「デジタル化」そして「アンビエントランプ採用などによるビジュアル化」が大きく進み、しかしウラカンが設計された時代にそれはまだ一般的ではなく、ウラカンの基本構造を引き継ぐウラカンEVO RWDについても「最新世代の新型車に比較すると」ちょっと見劣りする部分がある、とも考えています。
もちろんランボルギーニもそれを理解しており、オプションでアンビエントランプを用意してはいるものの、メルセデス・ベンツのように「設計段階からそれを組み込むことが考慮」されていないため、こちらもその効果を十二分に発揮するには至っていないという印象。
ただし必要なものが欠けているわけではなく、十分な装備を持っていることも事実であり、そして走り始めると「細かいことなどどうでもよくなり、走るのがただただ楽しい」クルマでもあるため、最新モデルに比較してどうこう、というところは気にしているわけではありません(単純な印象として述べたまでであって)。
ランボルギーニ・ウラカンEVO RWDの「操作系」はこうなっている
ここでウラカンEVO RWDの操作系を紹介してみたいと思いますが、インフォテイメントシステム以外はウラカン時代と一緒。
まず、エンジンスタートはこのスイッチ。
赤いフラップを開き、奥のボタンを押すことでエンジン始動/停止を行います。
なお、センターコンソール上には「P(駐車時にはこのモードに入れる)」、パークングブレーキのスイッチ、そして大きな”R”と書いてあるレバーは「リバース(つまりバック)」。
エンジンスターターボタンや、ウインドウ操作スイッチ含め、これらは戦闘機にインスパイアされたものだとされています。
ダッシュボード左はライティング系。
センターコンソール上部にはウインドウの昇降やハザード、車高を上げ下げするフロントリフターのスイッチなど。
ステアリングホイールはこんな感じ(これはほかのウラカンEVO RWDですが)。
面白いのは「ステアリングコラムからは、ワイパーやウインカーのレバーが生えていない」ということで、それらはステアリングホイールの左右スポーク上にあるスイッチにて行います。
ちなみにウインカーは左スポークにあるターン式スイッチで、ちょうどバイクのウインカー操作にも似ています。
下側のスポークに取り付けられているスイッチはドライブモードを変更するもので、「ストラーダ(ノーマルモードに相当)」「スポーツ」「コルサ(主にサーキット用)」が選択可能。
シフトチェンジは左右パドルにて行い、左はダウン、右がアップ、そして両方同時に引くと「ニュートラル」。
パドルはステアリングコラム固定式で、「ステアリングホイールと一緒に回転しない」構造です。
ステアリングホイールの考え方としては、フェラーリ同様になりますが、「ステアリングホイールを握った状態で、運転の基本動作にかかわるすべてを行なうことができる」というもの。
逆に、ステアリングホイールから手を離して行なうのは「エアコン」「オーディオ」といった快適機能系、そのほか車両設定という、スポーツ走行時には操作しない機能たちです。
加えて、(これもフェラーリ同様)走行に必要な情報はセンターコンソール上ではなく正面のメーター上にすべて表示され、ドライバーはただステアリングホイールを握り、前方を見ていればOKということになりますね。