| オーデマ ピゲは次々と新素材、そして新デザインに新機構を意欲的に投入 |
新素材「バルクメタリックガラス」がちょっと気になる
さて、来年はじめにCEOの交代を控えている雲上腕時計ブランド、オーデマ ピゲが「ロイヤル オーク オフショア」「ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ」「ロイヤル オーク ジャンボ エクストラ シン」の新作を発表。
まずは「ロイヤル オーク オフショア」から見てみたいと思いますが、こちらは2モデルが発表されており、いずれもロイヤル オーク オフショア コレクションの30周年を記念するモデルといった位置づけです。
「ロイヤル オーク オフショア」30周年記念の新作はこんな腕時計
今回、オーデマ ピゲは「ロイヤル オーク オフショア」に新作2本を追加しており、まず1本目はこの「セラミック」モデル(Ref. 26420CE.OO.A043VE.01 / 価格は”要問い合わせ”)。
ケース(43ミリ)はブラックセラミック、ベゼルやリューズ、プッシュボタンはブルーセラミック、そしてリンクにプッシュボタンガードはチタンという仕様を持っています。
文字盤はおなじみの「メガタペストリー」を採用していますが、凹凸に濃淡が設けられているようにも見えますね(画像ではそう見えるだけなのかもしれないが、”スモーク”と記載されているので、おそらく濃淡がつけられている)。
インナーベゼルとスモールダイヤルはブラック、アワーマーカーのセンターに目盛りや数字はホワイト仕上げ、そしてユニークなのはクロノグラフ針が「ツートンカラー」となっていること。※ロイヤル オーク オフショアの30周年記念モデルのクロノグラフ針には、先端かエンド部かは別としてツートンカラーが採用されることが多いようだ
搭載されるムーブメントは最新バージョンのキャリバー4401、ケースバックはスケルトン仕上げです。
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ストラップはブルーにブラックステッチが入る「カーフ」ですが、(ラバーベルトではよく見かけるようになったものの)カーフレザーをファブリック風に加工する例はちょっと珍しいかもしれません。
なお、交換用としてブラックのラバーストラップが付属します(ストラップはエクスチェンジャブル仕様)。
そしてこちらはもう一本の「ロイヤル オーク オフショア」30周年記念モデル、Ref. 26420OI.OO.A015VE.01(やはり価格は要問合せ)。
ピンクゴールドケースにグレーのチタン製のベゼルにリンク、プッシュボタンガード、そしてプッシュボタンとリューズはブラックセラミック。
時針に分針、アワーマーカーにサブダイヤルのエッジもピンクゴールド、インナーベゼルとサブダイヤル盤面はブラック。
ちなみにクロノグラフ針はやはり「ツートン」ですが、こちらは先端のカラーが変更されています。
ストラップもカーフの「ファブリック風仕上げ」、交換用としてブラックラバーストラップが付属します。
ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリはいずれも「特別モデル」
そして「ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ」も2モデル発売されており、いずれも「特別モデル」。
まずこちらはスーパーソヌリとしては「初」のブラックセラミックを採用したRef. 26591CE.OO.D002CA.01(価格は要問い合わせ)。
ミニッツリピーターはトゥールビヨン、そして永久カレンダーとならぶ複雑機構の最高峰だと言われますが、この機構そのものはブレゲが18世期に発明した機構がベースになっている、とされています(その原型は17世期にまで遡ることができる)。
なお、腕時計としてのミニッツリピーターはオーデマ ピゲが1982年に開発したと言われ(ブレゲが開発したのは懐中時計)、それだけにオーデマピゲはこの機構に対して強いこだわりを持っているわけですね。
ミニッツリピーターを作動させるにはケースサイドのボタンを押すことになりますが、ボタンを押すと腕時計の中でチャイムが鳴り、その回数によって時刻を知ることが可能です(時と分とで異なる音質を採用しており、聞き分けることで時間を判別)。
これはかつて、外灯もなく夜光塗料も無かった時代に「暗闇でも時刻がわかるように」考案された仕組みだと言われ、しかし現代では「不要」とも言えるもの。
ただし今や腕時計、とくに機械式腕時計そのものが不要なものなので、ミニッツリピーターを仕込んだ腕時計は「究極の無駄(贅沢)」だと捉えることもできます。
なお、オーデマ ピゲがミニッツリピーターを作るからには「音が鳴るだけ」では不十分であ、オーデマ ピゲはスイス・ローザンヌ工科大学と共同にて「いかに美しい音を響かせるか」というミニッツリピーターに関する研究を行っていますが、その集大成として裏蓋の空洞に音を反響させるという仕組みを開発しています(よって裏蓋の形状が非常に独特である)。
そしてこういった複雑な機構を持つにもかかわらず、ケースサイズは42ミリ、厚さは14ミリという「比較的コンパクトな」サイジングを持っているのも特筆すべき点(やはりエレガントなミニッツリピーターだけあって無粋なデカ厚は避けたい)。
ケースとベゼルにはブラックセラミックを採用し、面取りがなされた部分にはポリッシュ加工が施されることに。
ダイヤルはタペストリー仕様、そしてストラップはブラックラバー(リンクとフォールディングバックルはチタン製)。
そしてこちらは素材違いの「ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ(Ref. 26591IP.OO.1252IP.0)」。
一見するとステンレススティールのように見えますが、ケースとブレスレットはチタン製、ベゼルはプラチナ製というエキゾチックなモデルです。
なお、ダイヤルはおなじみ「タペストリー」がないという珍しい仕様を持ち、さらには「スモークバーガンディ」という、オーデマ ピゲとしてはこれもまた(非常に)珍しいカラーが採用されることに。
ブレスレットのリンクは「プラチナ」。
超入手困難、ロイヤル オーク「ジャンボ」エクストラ シンにもニューモデル
そして最後に紹介するオーデマ ピゲのニューモデルはロイヤル オーク「ジャンボ」エクストラ シン(Ref. 16202XT.OO.1240XT.01、価格は”要問い合わせ”)。
ケース素材はチタンですが、ベゼルとリンクにはオーデマ ピゲとしては「初」のバルクメタリックガラス(BMG)を採用したことが大きな特徴であり、今後この素材はほかモデルにも拡大採用されるかもしれません。
キャリバー7121なお、ダイヤルはタペストリーなしのスモークバーガンディ、長めのインデックスに時針と分針はピングゴールド仕上げ。
ケースサイズは39ミリ、厚さは8.1ミリというコンパクトなサイジングです。
このバルクメタリックガラスというのは(見たことがないので)ちょっと想像がつきにくく、オーデマ ピゲによると「パラジウムをベースとしており、溶解したベース液を型に流し込んで急速冷凍し」成形するのだそう。
ちなみに大量生産が難しいので非常に希少な素材とのことですが、ポリッシュをかけることで文字通り「鏡」のような輝きをもたせることができるというので、これまでのオーデマ ピゲの腕時計にはない表情を演出することが可能となりそうですね。
搭載されるムーブメントは開発に5年をかけ、満を持して2022年に発表した「キャリバー7121(パワーリザーブ52時間)」。
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