なぜジムニーだけが突出した価値を誇るのか
スズキ・ジムニーが「スーパーカー並みの残存価値を誇る」とのニュース。
これはCAP Automotiveが発表したもので、走行約10万キロ、3年落ちの個体でその残存価値(売却価格)は52%、同じく3年落ちでも走行が6万キロ以下だと61%もの価値を残している、とのこと。
たしかにそれは十分に理解のできるもので、実際のところジムニーの中古相場は非常に高く、たとえばパジェロ・ミニと比較してもその差は歴然。
カーセンサーを見てみると、パジェロ・ミニの平均価格帯は40.4万円。
これに対してジムニーの場合は82.6万円(公平を期すべく、パジェロ・ミニの生産終了年である2012年登録までの車体に絞って検索)。
なぜそこまで明暗が分かれたのか
要するに同じようなクルマでも価格は全然違うということですが、ひとつはジムニーの場合「ラダーフレーム」を採用した本格オフローダーで走破性や耐久性が高いということも考えられそう(パジェロミニの場合はビルドインフレーム式のモノコック)。
ほかにこれ(ラダーフレーム)が可能とするのは「キャビンの改造が容易」ということで、たとえばキャビン後部のルーフをぶった切ったとしても車体剛性には基本的に影響が無い、ということですね(ラダーフレームにキャビンが乗っかっているるだけなので)。
しかしパジェロミニだとキャビンも車体剛性を担うパーツでもあるので、これをぶった切ることはオフローダーとしては致命的にボディ剛性が低下することになり、ジムニー同様の改造は不可。
よってジムニー人気のヒミツは「耐久性と走破性、加えてカスタム自由度の高さ」というところにあるのかもしれません。
現行ジムニーであれば「品薄」で価格が高騰するのも理解できますが、先代や先先代ジムニーも非常に高い相場を形成しており、ジムニーは新旧関係なく高い価値を誇っているということにもなりますね。
日本車だと残存価値が高いのはほかに「ランクル」がありますが、共通するのは「オフローダー」。
しかしオフローダーであればなんでも高値が維持できるわけでもなく、やはりジムニーやランクルのような特定車種のみの現象だと言えそうです。
ほかのクルマはどうなのか?
なお、一般的なクルマの場合、3年後の残存価格は45-50%くらい。
スーパーカーやスポーツカーだとマクラーレン、ポルシェは3年で50%程度の残花となり、ランボルギーニで65-75%、フェラーリで75%という感じ。
メルセデス・ベンツやアウディ、BMWは3年だと35%程度いうケースもあり、それを考えるとジムニーの「61%」というのは非常に高い残存価値である、と言えますね。
VIA:CAP Automotive